「インテリアアテンダント」をご存知ですか?
私は一昨年、新しいコンテンツを作成しようと思い立ち、下調べをしている時に「インテリアアテンダント」という資格を初めて知りました。
「私がやりたいと思っていたことが、もうすでに世の中に存在した(←いつものパターン)!!」
インテリア業界が長い方々が作成しているコンテンツで、理念にとても共感したので資格取得にいたりました。
この記事では、まだあまり知られていない「インテリアアテンダント」についてご紹介します。
この記事はこんな方向け
- 今後家を建てようと思っている
- リフォームを検討している
- マンションを購入しようと思っている
目次
インテリアアテンダントとは
インテリアアテンダントとは、一般社団法人日本インテリアアテンダント協会が資格認定をしている資格です。
一般社団法人日本インテリアアテンダント協会: https://j-iaa.or.jp/
「インテリア」と聞くと室内装飾を想像するかもしれませんが、実際は建物内部全般をさす言葉です。
つまり、家具やカーテンだけではなく、床や天井もインテリアに含まれます。
「アテンダント」は「キャビンアテンダント」(←これも和製英語ですが)を想像していただくと、理解しやすいでしょうか。
付き添う人、案内人、サービス係などの意味がある言葉です。
「インテリアアテンダント」は、室内空間全般に対して消費者に寄り添い、住まいづくりに関して、専門家との橋渡しを担う存在です。
協会では、
インテリアアテンダントはお客様が住まいに対する「思い」や「気持ち」を目に見える形で表現し、専門家に確実に伝えるための知識、技能を伝えることでお客様をサポートします。
としています。
これを読んで、すぐに内容を理解できたでしょうか?
今でこそインテリアアテンダントのような存在の必要性を感じているのですが、今から10年前の自分だったら、この業務内容を見ても、
- 「専門家に確実に伝えるための知識、技術」って何?
- 専門家は専門家だから汲み取ってくれるんじゃないの?
- 思いや気持ちを見える形で表現するって?
という感じで疑問を感じていたと思います。
インテリアアテンダントに惹かれた理由
収納計画をしている時に感じること
今でこそ「インテリアアテンダントのような存在の必要性を感じる」と書きましたが、ここ数年で片づけの作業に伺ったり、新築・リフォーム前のプランニングに携わっている中で感じていることが3つあります。
- 家を建てる前に、価値観や家族のライフスタイル、暮らしに対する考え方、家事の仕方を整理して伝えられていれば…
- 家づくりの専門家は、あなたのことをすべて知っているわけではないから伝えないとわからない
- 正確に伝え、それが反映されているか確認するには最低限の知識と共通言語があった方がいい
片づけでも、新築・リフォーム前のプランニングでも、クライアントに事前のワークブックを行っていただいた後、ヒアリングを数時間行います。
その際によく
「ここまで考えたことがなかった。」
「家族で話したことがなかった。」
と言われることがあります。
価値観や家族のライフスタイル、暮らしに対する考え方、家事の仕方などは、普段なかなか時間をとって立ち止まって考えることがありません。
つまり、自分でもわかっているようでわかっていないことがあるのです。
自分でも整理して把握できていないことを、人に理解してもらえるように伝えることは難しいです。
専門家にまかせっきりでは理想は手に入らない
私も自分で家を建てる前には「専門家はプロだから汲み取ってくれるだろう」となぜか信じていました。
家づくりの専門家は、プロですが霊能力者(←本当にいるのか知りませんが)でもマジシャンでもないので、初対面で数時間話しただけのあなたの考えや、好み、暮らし方は知りません。
だから、まかせっきりでは理想は手に入らないのです。
また、説明=文字、言葉で聞いても、そこから想像するものはひとそれぞれ異なりますよね。
例えば「赤くて丸くておいしいもの」を想像してください。何を想像しましたか? 私は梅干しです。でも飴玉、りんご、トマト、プラムかもしれません。
このように文字から想像するものは、受け取り手のフィルターを通る際に、発信者の思い描いたものとは別ものになってしまうかもしれません。
特に暮らし方、家事のしやすさについては千差万別です。「家事がしやすい家」を望んでも、あなたのやりやすさと、設計者のやりやすさは100%異なります。
また、設計した後にその家で実際のどのように家事をして暮らしているかを毎回確認している設計者はいないですし、
「私は●●をお願いしてプランしてもらったけど、実際使いにくいわ」と住み始めた後から伝えて家を建て直す施主もいないです。
プロにお願いしてまかせっきりにするよりも、プロの力を借りて自分の理想を叶える
という風に、意識を変えていくことが大切です。
プロにうまく力を借りられるようにサポートするのが、インテリアアテンダントの存在です。
理想をしっかり伝え、伝わったかを確かめるには
まずは、自分自身で暮らし方を整理して把握するところからですが、相手にしっかりと伝えるようにするには言葉だけではなく「見えるようにする」ことが大切です。
わかりやすい例では、インテリアのテイストや家の外観を「雰囲気」「テイスト」で伝えても、受け取り手によってイメージするものは異なります。それよりも、具体的に好きな見た目の写真を集めて、その写真のどこが好きかを伝えた方が確実に同じイメージを共有できますよね。
見た目だけではなく、ライフスタイルや暮らしに対する考え方や将来についても、見えるようにして伝えた方が相手に正確に伝わります。
また、事前に私たちが家を建てる時に考えるべきことを知っていたり、最低限の知識を持ち合わせていた方が「共通言語」を使えるのでコミュニケーションがとりやすいです。
よく聞くのは「図面がわからない」という話。
図面は学校で習わないので、わからなくて当然なのですが図面がまったくわからない限り、家がどのように設計されているかを自分で確認することができなくなってしまいます。
少しでも図面の読み方を知っていたり、せめて苦手意識が減り、相手に説明を求めることができれば事前に家の間取りを自分でチェックすることができるようになります。
また、家がどのような工程で建てられるのか、どのくらいの人数、業者が関わっているのかも知っていると決断する際に事前に心の準備ができます。
インテリアアテンダントとしての仕事
インテリアアテンダントとしての仕事を紹介します。
インテリアセルフアテンド講座
インテリアセルフアテンド2級講座
住まい選びのために必要な間取り図(平面図)の見方や、家具選びに必要な家具配置の考え方を学びます。
ご受講いただく方には、プロ仕様の三角スケールとメジャーをプレゼント!
講座では平面図を読めるようになるので、三角スケールを使用して平面図から読み取り、その場でメジャーを使って実際の大きさを体験することができます。
また、この講座ではコンセントやスイッチについても学びます。
コンセントは、多くの業者で「とりあえず1部屋に●つつけておけば大丈夫ですよ」という感じで済まされてしまうことが本当に多いです。
その結果、結局家中でタコ足配線、延長コードだらけ、不便不都合を感じながら生活をすることになります。
事前に知りたかった!と私も心底思ったのがこの話題でした。
(我が家では、コンセントを何カ所も増設、移設をしているため壁に不要なコンセントカバーがついていたり、変な場所に2段になっていたりします(涙))
インテリアセルフアテンド1級講座
この講座では、
自分の家を自分でデザインするために、“思い”や“考え”を「見える化」する力を養います。
作った家が、「イメージと違う…。」とならない方法を学びます。
具体的には、平面図の読み取りを応用して立体模型を作り、想像する力を養います。
また、実際に作成したものをそのままハウスメーカー/工務店との打ち合わせに持ち込んだらコミュニケーションが確実に効率的にとれる「希望見える化シート」やインテリアコラージュを作成します。
この講座は、消費者と専門家の橋渡し的な役割だと思います。
消費者の方も事前に自分の希望を整理し、そして家を建てる工程、注意した方がいいことなどを事前に学んで理解します。
その希望が整理された状態で、メーカー/工務店にいくことで、ヒアリングもスムーズに進むからです。
この講座はぜひ、家を建てようと思っている方全員に受けてほしい、受けたら後悔しないのにな、と思いました。
新築・リフォーム前相談
以前から提供しているサービスです。これまでは動線と収納にフォーカスしていたサービスなのですが、インテリアアテンダントとしての知識も加わったことで以前よりも細かいシミュレーションをしながら、コンサルティングを行います。