「不」を見逃さない
日々の片づけ(使った物を元に戻す、部屋をリセットする)は、暮らしの土台、つまり物の整理と収納がうまく作れていると楽に行えます。
物の整理と収納は、あなたが何を必要としていて、その物がどこにあってどのように収納されていればいいかがわかっていれば決まります。
その時に必要なのは「自分が何を本当に必要としているのか」「自分のやりやすい方法は何か」ということです。
片づけって本当はそのくらいシンプル。
でもやっぱり、「自分は何を必要としているのか」には、過去、今、未来など「いつ必要か」がよくわからなかったり、今使ってなくても思い出の物だってある。
よく本当の暮らしを「”理想の暮らし”を思い描いて、その暮らしに入っていないものは手放す」なんて書かれているけれど、自分の理想の暮らしなんて思い描けない!って思いこんでしまっている方も多いですよね。
(理想の暮らしは、その時々で変わるものですが「理想」という言葉のハードルを上げてしまっている方が多いです)
そんな時には、今日ご紹介する目のための「不」解消片づけ法をおすすめしています。
「不」解消片づけ法が向いている方
あなたはなぜ片づけをしたいの?
人によって行動の動機は違いますよね。たとえば、部屋の片づけをする理由を考えてみても、以下のようにさまざまなパターンがあることがわかっています。
ポイント
快適さを求めて=きれいな部屋だと気持ちが上がる
気分のリセット=心機一転、片づけてリフレッシュしたい
限界を感じて=散らかりすぎてストレス…もう我慢できない
暮らしの不便を解消するため=物が多くて取り出しにくい、収納しづらい etc.
これは、目白大学大学院心理学研究科の元井博士の研究でも示唆されています。
片づけのモチベーションはいくつかのパターンに分けられることがわかっており、それぞれの人によってピンとくる理由が異なる、というわけです。
片づけへのモチベーションは人それぞれ
私自身はずっと片づけが苦手で、育った家も散らかっていたため
「片づいていたら気持ちがいいじゃん!」
「心機一転、片づけてリフレッシュしようよ!」
といった言葉をかけられても、正直「ふーん」と思うだけで全然ピンときませんでした。
むしろ私が行動するときの理由は、
「もう無理! 散らかりすぎて限界…とにかく片づけないと!」
という切羽詰まったもの、現実逃避をしたい時(学生時代の試験前夜など)でした。
さきほど挙げたように「物が多くて不便だから片づけたい」という人もいるでしょう。
いずれにしても、“なぜ片づけたいか” は人それぞれであり、その動機の違いが行動の一歩を左右します。
このように、まずは自分にしっくりくるモチベーションの源を特定してみてください。
その時のモチベーションが「気持ちがいい、快適を求めるため」以外の方は、ぜひこの「不」解消片づけ法を用いてください。
「理想の暮らしを描く」がしっくりこないとき
また、先にも書きましたが、片づけや暮らしの改善を考えるときには「理想の暮らしを目指す」「自分がどうありたいかを具体的に想像する」のが大切とよく言われます。ただ、それがいまいちピンとこない方も少なくありません。
「そもそも理想のイメージが湧かない」
「自分が本当に望んでいる暮らしって何だろう…」
こんなふうに、頭ではわかっていてもなかなか“理想像”が明確にならない場合は多いですよね。
(「理想」を、結構SNSなどで見る他人の壮大な理想の暮らしみたいにしないといけないと思っていることが多い)
そこで私がおすすめしたいのは、小さな「不」を見逃さずに解決していく というアプローチです。
タイトルにもある「不」解消片づけ法は、そのまんまですが、
理想像を思い描くのが難しくても、日常生活の中でちょっとでもモヤっとすること、嫌だな、困ったなと思う瞬間を見つけ出し、それを少しずつ取り除いていく方法です。
これだけでも暮らしは大きく変わっていきます。
「不」解消片づけ法は、小さな「不」に注目してみるところから
たとえば、こんな「不」のつく言葉を思い浮かべてみてください。
- 不便
- 不安
- 不都合
- 不機嫌
- 不快
- 不統一
- 不穏
- 不平
- 不満
- 不要
- 不十分
- 不可能
- 不足
- 不揃い
- 不体裁
- 不潔
- 不合理
- 不親切
…ほかにもまだまだあるかもしれませんね。
こうやって並べてみると、「不」がつく言葉の多さに改めて気づきます。
言い換えれば、私たちの暮らしの中には、意識しないまま「ちょっと嫌だな」「面倒くさいな」「何とかしたいな」と感じる場面が意外とたくさん潜んでいるのです。
「不」解消片づけ法で、些細なストレスを溜め込まないために
日々の生活の中に散らばる「小さな不」。これらを放置せず、見過ごさずに意識的に対処していくと、暮らしは驚くほど快適になっていきます。
「不便」なら、使う頻度の高いものを取り出しやすい位置に移動してみる、収納方法をもっと簡単にしてみる、物を買い替える。
「不安」なら、モヤモヤを解消するために具体的に書きだす、そのうえで情報を調べてみる、安心して話ができる誰かに相談してみる
「不快」なら、換気をして、物を整頓をしたり、片づけ、掃除をしてみる
「不足」なら、本当に必要なモノ・スキルを買い足すか身に付ける工夫をする
「不統一」なら、色、トーン、形、サイズ、テイストなど揃えられる要素を統一していく
こうした積み重ねが、結果として“自分にとってちょうどいい暮らし”を形づくるきっかけにもなるのです。
「不」に気づく練習をしてみよう
私自身、昔は不便や不満を感じても、「こんなものだろう」「そのうち慣れる」と目をつぶってしまうことが多々ありました。
でも、いざ向き合って解決策を探していくと、「意外と簡単に改善できる」「もっと早くやればよかった」なんて思うケースもたくさんあります。
最初は、小さな違和感を言語化するだけでもOKです。
何がどこで不便に感じるのか?
どんなタイミングで気分がざわつくのか?
そんなふうに目を向けていくと、「不」を意識せずに無意識下へ押し込めていた自分自身に気づくはずです。
不を解決するためにできること
最後に、あなたの身の回りで感じる「不」を少しだけでも挙げてみるのはいかがでしょうか?これだけだと漠然としてしまう場合は、テーブルの上の不、クローゼットの不、など場所を制限して考えてみるとやりやすいです。
書き出してみると、「何とかしよう」という気持ちになれたり、具体的な行動につながりやすくなったりします。
- どんなアクションが取れるか?
- どんな工夫ができるか?
- それをするとどんな効果がありそうか?
考えたことを小さく試してみるだけでも、暮らしの感覚が変わっていきます。大きな目標を掲げるのは難しい、理想をはっきり描けない、という人ほど、この「不」解消片づけ法でのアプローチは有効です。
ぜひ、日常のなかにある「ちょっと嫌だな」「それ、面倒かも…」と感じる瞬間をキャッチして、変化のヒントにしてみてくださいね。そうやって一歩ずつ解決していくうちに、自然と理想の暮らしや自分らしさに近づいていけるはずですよ。
不を解決するために、何ができるでしょうか?
まずは、今日一日だけでも、小さな「不」を見逃さずにチェックしてみる。そこから始めてみるのはいかがでしょう!
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