毎日4時間くらいしか睡眠時間が取れません。
先日睡眠時間をしっかりとった方がいいと戸井さんが話をしていましたが、何か睡眠時間を長く取るためのアドバイスがあったら教えてください。
寝る時間がいつも1時とか2時になってしまいます。朝も本当は早く起きて朝活や家事をしたいのですが起きれません。
日中はまだ時間があると思うといつの間にか夕方になって、その後子どもの世話や夕食の支度があって、入浴も深夜になります。
ANSWER
ご質問ありがとうございました。
それぞれの置かれている環境は違いますが、片付けが苦手な方から睡眠不足の話はよく聞きます。慢性的に睡眠不足になりがちな1日の流れ、つまり習慣ができてしまっているんですよね。
そして前回の【片付け悩み相談】でも書いたとおり、疲れが溜まっていると先を見据えた理性的な判断力が鈍るので、ますます悪循環に陥ってしまいます。
と、今では言っていますが私は元々自他認める「夜型生活」タイプです。思うところがあり2019年末に「来年やりたいこと100個」を書いている時に生まれて初めて
12時までには寝る
と書きました。当時は日が変わってから寝ることが当たり前だったので…。そしてそれができるようになった2020年末には、
22時までには寝る
と目標を立てて、今はそれが現実化しています。
普段は21時過ぎたら寝る準備をして、22時に消灯。私の場合は6時くらいに目覚めるので、体に必要な睡眠時間は8時間のようです。
この生活をするために削った行動も多々ありますが、なんといってもメリットは日中の身体のだるさが減り「めんどくさいから後回し」とか、現実逃避のダラダラがなくなったことです。
今日の記事では、睡眠時間を確保する気を出すために「睡眠不足が続くことの恐怖ポイント」を紹介した後、実際にどうやって睡眠時間を確保しているかを紹介します。
睡眠不足が続くとこんな悪影響が出てきます。
国の調査(国民栄養・健康調査)によれば、平成27年のデータでは睡眠時間が7時間以上の人はたった26.5%だったそうです。
睡眠時間が短い場合…
- 6時間睡眠を2週間続けた脳は、2晩徹夜したのとほぼ同じ状態まで判断が鈍る (*1)
- 起床から17時間を超えると、血中アルコール濃度0・05%の飲酒(日本酒1、2合)と同程度にパフォーマンスが低下する。(*2)
- 高血圧、糖尿病のリスクが上がる*3
- 数年続くと・・・精神神経系の異常 → 抑うつ*4
セロトニンやカテコラミンなど、生命維持に必要な物質が枯渇するようになり、抑うつ状態を引き起こしやすくなる - 15年ほど続くと・・・ アルツハイマー病など 脳内の老廃物といわれるアミロイドβなどの物質が除去されにくくなり沈着、アルツハイマー病など認知機能の低下を引き起こしやすくなる*4
睡眠不足状態が、巷にあふれる様々な避けたい病気の発症にも影響がある可能性があるということがわかります。
余談ですが、睡眠負債が話題になった時にこうやって睡眠不足の影響を見た時に
「自分の健康や命と引き換えにするレベルでのやらなきゃいけないモノゴトって何だろう?」と感じました。
そうやって睡眠時間を削ってまで色々やることに疑問を持つようになったのが、私が自分の睡眠時間を確保する第一歩でした。
*1 Van Dongen HP et al. Sleep. 2003;26(2)
*2 産経新聞2019.4.12 (https://www.sankei.com/article/20190412-F6Y7OTTR3JJTJBU5VFWFWMCMDQ/)
*3 オムロン https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/94.html
*4豊橋ハートセンター https://www.heart-center.or.jp/rehabnow/1686/
睡眠時間を確保するための工夫5つ
さて。世の中には実際に睡眠時間を確保するための方法が色々出ていますが、どれが自分にとってベストかはやってみなければわかりません。
ここで紹介するものが、すべての人に合うわけではありませんが私が実践したものを紹介します。
- 24時間の行動の書き出し
- 睡眠を邪魔するものを取り除く
- まずは睡眠時間を最優先の生活をする
- 家事などのタスクをできる限りコンパクトにする
- 頭の中を書き出して諦めて寝る
24時間の行動の書き出し
時間管理の話の中でよく出てきますが、24時間を見える化します。
現状の生活の書き出しも今の生活を見直すのに意味があるのですが、ここでは「8時間睡眠をとった場合の24時間」の書き出しをしました。
①睡眠時間を確保
私の場合は、家族の都合もあるので22時から6時を睡眠時間としました。
②自力で変えられない時間を書き出す
(例)
・出勤時間
・子どもが登校する時間
・保育園のお迎え時間
もちろん本気を出して、会社勤めの方はフレックスタイムの会社に転職するとか、延長保育がある保育園に転園するとか、手段は他にもありますがとりあえず「楽に持続可能な方法」を考えるため今の時点での「自分では変えられない時間」を書き出します。
③家にいる時間の短さに驚く
②まで書き出してみると、その他の時間がそんなに長くないことに気づきます。(家にいる時間が尊いことのように思えてくる…)
④その時間の中で、やらないと困る行動と所要時間を書き出す
例えば・・・
・歯磨き
・入浴
・洗濯(頻度は個人差あり)
・食事の支度(頻度は個人差あり)
・食事の後片付け
このあたりは、理想を言えばもっとやりたいことが出てくると思います。そうすると時間は到底足りません。やらないと本当に困る!明日の生活ができない!というものを書き出しました。
⑤自由時間のなさに絶望する
④まで書き出してみると、その1う1つの行動自体は大して時間がかからないのですが、いわゆる「名もなき家事」的な前後の時間がかかることがわかります。特に子供が未就学児だったりすると「歯磨きをしてあげる」だけでなく、その前後の声かけや、子どもの機嫌によってすぐに取り掛かれる時とそうでない時があったりして、到底「一般的な歯磨き時間」では足りません。
もちろん、小学生以降どんどんそういった時間は減っていくのですが。
平日の時間のなさに絶望しませんか(笑)?それが今後の生活を本気で変えないといけないな、と感じた理由です。
そう、時間術とか時間管理についてはいろいろな情報が世の中にありますが、時間って実は余らないものなのだ、ということに気づけませんか。
だから自分が譲れないものを選び残して、そうではないことをやっている時間はないのだということが腑に落ちました。
24時間書き出しをやってみると、仕事をしている場合は1日単位で考えるとそうそう「スマホを見ている時間」や「自由に〇〇している時間」って取れないことが見て取れると思います。
ただこれは「自由時間を作ってはいけない」という話ではありません。自分がやりたいこともやっていかないと、精神的にうるおいが枯渇するといいますか。豊かな生活からは遠ざかってしまいます。
時短テクとか便利グッズ、他者の力をむしろどんどん取り入れる方がいいと私は思いますが、それでもまずは24時間を見える化して睡眠を確保するためにどんな行動をやめるかを選び決めるのがいいと思います。
睡眠を邪魔するものを取り除く
寝る時間を決めたら、その時間に寝れるように睡眠を邪魔するものを取り除いていきます。
- スマホも通知を含め寝る1時間くらい前からオフ
- カフェイン
- 深酒
- 悩み事
この辺りは試しながら自分にベストな状態を見つけていくしかありません。
例えばカフェインですが、一般的には5時までとか寝る時間の3時間前まで等書いてありますが、私の場合は午後飲むともう寝つけません。そのため、コーヒー紅茶などカフェインが含まれる飲み物は基本的に午前中だけ、2杯まで。午後はカフェインを摂らないようにしています。
私はやめる行動を選びましたが、すみやかに寝るための10か条なんてものも存在しているようです。
すみやかに寝るための10か条
- 午前中に日の光を浴びよ
- 食事の時間は一定にせよ
- 運動は夕方に。散歩もよし
- カフェインは寝る3時間前まで
- 酒は寝る3時間前まで
- 寝る2時間前より強い光を避けよ
- 風呂は寝る30分前に
- 寝室は18~16度に保つべし
- 布団でのスマホ・ゲームは御法度
- 寝なきゃとあせるべからず
監修:白川修一郎さん(睡眠評価研究機構代表)引用元:https://www.nhk.or.jp/special/sleep/detail.html
睡眠を邪魔するものを取り除くことも、24時間書き出しに加えておきます。書き出しておくことがポイントです。
まずは寝ることから始める
睡眠時間が足りない人に共通するのは「●●が終わってないからまだ寝れない」という考え方です。でもそれがすべて終わる日がすぐに来るとは限りませんよね。
おすすめはとりあえず1週間、睡眠時間を確保して日中の活動レベルを上げることを最優先にする方法です。
終わらないまま寝るのは、初めはあきらめが付けられないかもしれませんが、結果的には早く寝たほうが効率的に動けるようになります。なのでぜひ睡眠を優先してみてください。1週間くらいで体が軽く動けるようになってきますので、それまでの間は「調整期間」として家事などのタスクは最低限で割り切った方がいいと思います。
家事などのタスクはコンパクトにする
睡眠をしっかりとり始めると、以前よりもテキパキ動けるようになります。それでも、やっぱり自由時間が確保できないこともあるんですよね。
そういった場合は、家事などのタスクをコンパクトに時短・省エネ化することをおすすめします。
例えば、
- それまでせっせと一人で畳んでいた洗濯物を、家族にやってもらう
- 洗濯を畳むことをやめる
- 使う食器を減らすためにワンプレートにする
- 朝ごはんは手づかみとつまようじで食べられるメニュにする(洗い物が減る)
- 毎日1品は冷凍食品を使う
- 食洗器、洗濯乾燥機、ロボット掃除機を利用する
- 子どもの上履き洗いは自分でやってもらう
- 家族と家事を分担して、自分でやる分を減らす
他にも挙げればきりがありませんが、意外と「無意識のこだわり」や「無意識の~するべき」にしばられていたり、もしくは「他のやり方を知らない」ために時間がかかる方法ばかり選んでいる可能性もあります。
家事をしっかりきっちりこなせたら気持ちがいいとは思いますが、自分の時間とのバランスを俯瞰して見てください。
頭の中を書き出して諦めて寝る
寝る準備の時間には、必ずアラームを掛けています。なかなか自分から時計を見て動く習慣がつくれないので、以前はスマホのアラーム、今はAmazonEcho(アレクサ)にお知らせしてもらっています。
その時間になったら、今やり残したことと、明日やろうと思っている頭の中にあるTO DOを書き出します。
私は正方形の付箋に書き出して手帳に貼っていますが、これはやりやすい方法でいいと思います。(これまでにもタスク管理をたくさん調べましたが、この部分の書き出し方について、これがベストだ!という統一見解はありませんでした。)
その時にやろうとおもっていることをやり続けてしまったら睡眠時間は減りますし、また、忘れないように頭の中で必死にTODOリストを思い出しながら寝ると、なかなか寝付けません。
紙に書き出して(ここでスマホにしない理由は、寝る前にブルーライトを見ないため)、明日の自分がしっかり頑張ってくれると信じて寝てしまうのがいいと思います。
まとめ
睡眠時間を確保するためのあれこれ工夫を5つ紹介しました。
睡眠不足はデメリットしかないということを理解して、生活を変えていこうと決意しないとなかなか時間を確保できませんよね。
いつもと同じ流れですが、目的と手段を分けて考えることや、生活を俯瞰して目的に近づくためにはどの道を選んだらいいのか、改めて見つめなおしてみると気づけることがあると思います。
ぜひ、取り入れられそうなことがありましたら実践してみてください!
記事の中に「諦め」という言葉が出ていますが、この諦めは手放すというようなニュアンスですね。モノゴト抱えすぎていると身動きができなくなってしまいます。時間を使う行動も、手放す勇気が必要だと感じました。
もしあなたにもお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。ご質問は、こちらからどうぞ。