ADHD・ニューロダイバーシティ・特性 住居のオーガナイズ

ADHD・特性が強めな人向け片付けの実践的なコツ

あまりにも片付けが苦手だと、その原因や片づけ方を調べているうちに「発達障害」や「ADHD(ADD)」という話題にたどり着くことがあります。

 

このサイトでも片付けとADHD、特性について理解するための記事を以前掲載しました。

 

タイトルにはADHDとありますが、ADHDと診断された人だけに効果的なわけではなく、また「片付けられない人=ADHD」という短絡的な考えにつながらないように「特性」に焦点を当ててまとめています。片付けが苦手な多くの人に共通する特性について書いてありますので、ぜひご一読いただければと思います。

 

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この記事では、特性を理解した上で実際にどのように片付けをしていったらいいか実践のヒントについてまとめています。

 

 

 

ADHD・特性が強めな人の片づけ:事前準備編

実際の片づけ作業に取り掛かる前に、事前準備をしておいた方がうまくいく確率が上がります。事前に確認しておくことは、

 

  • ゴール設定
  • 自分の体調
  • 作業に必要なアイテム

 

です。1つ1つみていきましょう。

 

 

 

ADHD片づけにはゴール設定"

片づける前に、ゴールの設定をする

むやみやたらに行動を始めても、なかなかゴールまで到達しなかった経験はありませんか?また、SNSが普及した今、「本当に自分らしい暮らし」を見失っているケースもあります。

 

ADHD診断済みであったり、自分の特性を知ろうとしている方は、特性について学んでいるので自分の「感受性」や「こだわり」なども認識していると思います。特性が強い場合、得意なところに注力し、苦手なところは最低限のエネルギーで維持できるシステムを作ることが一番のポイントです。もし自分で維持管理できない範囲の場合は、人に依頼するのも手です。

 

そのように「最適化」を考えると、片付けはあまり得意ではないのでできる限り簡単なシステムで維持できるところを目指す方が暮らしの質が上がります。

 

つまり、片付けのゴールはSNS映えする素敵なインテリアの部屋ではなく、自分がより少ないストレスで楽に生活できる環境を作ることです。

 

このゴール設定を間違ってしまうと、いつまで片付けを続けても暮らしは楽になりません。

 

「自分に合った暮らし」は、無理やり他人軸に合わせたり、自分とは違う型に当てはめることではありません。

 

例えば、SNSで心惹かれる部屋の写真があったとします。その写真では物が何も見えていない状態だったとしても、あなたが「見えていないと忘れてしまう」タイプであれば、心惹かれる光景は生活を楽にはしてくれません。

 

すごくポップでカラフル、物が沢山ディスプレイしてあるインテリアが好きでも、視覚情報が多すぎると集中できなかったり、ディスプレイの上のホコリを毎日掃除するルーティンが行えないならば、暮らしている中でストレスがたまるはずです。

 

このように「自分に合った暮らし=ストレスが少なく日々の生活が送れる状態」をまずはゴールに作業をスタートしてみてください。

 

(注:まずストレスフリーを達成して暮らしているうちに、心惹かれるものを取り入れていってもストレスが生まれない「暮らしの土台」ができているはずです。)

 

 

ADHD片付け疲れ

片付ける前に、体調確認を!

特性が強いからなのか、体調不良が特性を強めるのか、相互的なのか…特性が強い方は、疲れていることが多いように感じます。

 

  1. 睡眠不足ではありませんか?
  2. 精神的に落ち込んでませんか?
  3. その他、体はしんどくないですか?

 

睡眠不足や疲れている状態だと、片付ける気力も沸いてきませんし、片付けていても物の取捨選択をする時の判断能力が低下しています。

 

判断できないとますます片づけ時間がかかってしまうので、悪循環に陥ってしまいますよね。

 

万全の体調で、というのは難しいかもしれませんが、明らかに疲れている時、睡眠不足の時、気が滅入っている時は、その状態で片づけでもあまりいい結果にならずますます落ち込んでしまう可能性もあります。無理して片づけをスタートするよりも、自分の心身を休めることが先決だと考えています。

 

 

片付け作業をスムーズに進めるためのグッズを揃えよう

片付けは、物を減らす「整理」の段階が終わってから、「収納」に取り掛かる方が無駄なくうまくいきます。ここで揃えるグッズは、収納用品ではなく、作業を進めるための道具です。

 

作業をしている最中に「ゴミ袋がない」となると、そこでプツっと集中の糸が切れてしまうことがあります。

 

その他にも、何かが足りないと注意が逸れてしまうことがよくあるので片付け前には必要なものを揃えましょう。

 

例えば…

  • ゴミ袋(市町村のゴミ出しルールに従って各種揃える)
  • 段ボール箱(決断できなかったものをまとめておきます)
  • ガムテープ
  • 油性マジック(ラベルやメモ用)
  • あれば強粘着付箋(ラベル)

 

これらは私がお客様の作業に伺う時にもこれらは必ず持参しているものです。

とにかく作業を進める際に必要なものを切らさないようにしましょう。

 

また、ADHDの場合よく「何をしているのか忘れてしまった」、「何をまとめているのか忘れてしまった」ということがあります。それを防ぐために、油性ペンでその都度メモをしていきます。

 

今何の作業をしているのか、箱にまとめたとしたら何がその中にあるのか。作業や判断を後回しにする場合はいつ、何を基準にどんなアクションをするのかなどを具体的に書き込んでいきます。

 

 

ADHD特性がある人の片づけ:成功確率を上げるポイント

 

ポイント(1)プロに依頼する/本当に信頼している人に寄り添ってもらう

まず、もし近くに発達障害に関する知識がある片づけのプロがいる場合は、一度作業の依頼をしてみてください。もしそれが何かしらの理由によって難しい時には、本当に信頼している人に来てもらってください。

 

片付けで本当に信頼できる人とは、あなたの決断に口出ししてこない、作業のペースを乱さない、楽しい雰囲気にしてくれる(けれど脱線はとめてくれる)人です(そう考えると、身内じゃない方がいいかもしれません)。

 

誰かと一緒に進めることがおススメの理由は、ADHD・特性がある人は一人で作業をするよりも誰かと一緒に作業をしている方が集中できるからです。

 

そして、片付けのプロは絶対にあなたの行動や決断を褒めてくれます。褒められるとすごく力を発揮できて、さらに片付けが進みますので誰かと一緒に作業をすることをおすすめします。

 

 

 

ポイント(2)自分にとってのよい結果をイメージする

片付けが長年苦手だと、片付けは嫌なこと、面倒なこととして記憶に刻み込まれています。嫌なことを始めるには精神的なエネルギーを使いますので、できるだけ「イヤ」を減らした方がとっかかりが楽になります。

 

その時に有効な方法が「自分にとって最高の結果を具体的にイメージする」方法です。

 

  • 大好きなお友達を家に招いて、一緒に一晩中語り合う
  • 子どもにイライラしないでニコニコしながら遊んでいる
  • 大好きな芸能人が突然家に来て・・・

 

などなど。現実的なことでも、夢みたいだけれどそれが現実となったら最高!!どうしよう!!的なことでも構いません。これは、あなたにとって一番ワクワクする様子をイメージします。

 

頭の中で考えているだけではピンとこない場合、自分の感覚特性に合わせて視覚的に何か作成してもいいですし、ストーリーを書き出す、声に出す、録音したものを聴くなど一番自分がしっくりくる方法でやってみてください。

 

嫌と感じたり退屈な作業は注意散漫になりがちです。ぜひ少しでもわくわくするイメージをしてみましょう!

 

 

 

ポイント(3)片付け作業のとっかかりだけは明確にしておきましょう

ADHD・特性のある場合ものごとを全体的に大きく捉えることは得意ですが、細分化して考えたり、実行する行為が苦手な傾向にあります。また、計画をしっかり立てすぎてしまうと無意識のうちに執着してしまうこともあるので、注意が必要です。

 

そこでおすすめなのが、作業が軌道に乗るまでのとっかかりの行動だけを明確にしておくことです。ADHD・特性がある人によって、片付けは始めるまでが一番大変です。めんどくさいと後回しにすればするほど、苦しいはずです。

 

でも、逆に手を付けて軌道にのれば、そのままどんどん判断のスピードも上がっていくので、それまでが大切です。

 

作業のとっかかりの部分は、自分が簡単だと思える行為です。

 

  • 今立っている場所一メートル四方にあるごみを捨てよう
  • テーブルの上のゴミを捨てよう
  • ソファの上の服を、洗濯が必要なものとそれ以外に分けよう
  • 冷蔵庫の賞味期限が切れているものを捨てよう

 

このように、狭い範囲で具体的な行動を決めてみてください。そして、慣れるまでは作業を始めてすぐに忘れないように書き出しておいてくださいね。

 

 

ポイント(4)自分に合わせた環境でスタート

ADHD・特性の強い人は自覚している方も多いですが、なにかしら感覚が過敏があることがあります。それが片付けをスムーズに進める邪魔をしているかもしれません。

 

  • 音ができるだけない静かな方が、自分の考えや行動に集中できる
  • 静かだと頭の中に色々浮かんで集中できないので、歌詞がある音楽があった方がいい
  • 歌詞があると注意が逸れるので、音だけの曲がいい
  • ホワイトノイズがいい
  • 他の音だと気になるので、自分で何をすべきかしゃべる
  • すぐに忘れてしまうので、手の甲にやることを書いて常に目に入るようにする
  • 光が苦手なので、暗めにしてとりかかる/夜片付ける
  • 好きな香り、集中できる香りにする
  • 片づける前に筋トレを15分してから作業に取り掛かる

 

などなど。これらはすべての人に当てはまるわけではありません。もしぱっと自分に当てはまる感覚モダリティや感覚過敏がわからない場合、ご自分自身を振り返ってみた時に「もしかしたら当てはまるかも」と思えるエピソードから探ってみてください。

 

(余談ですが、嫌々やっていた嫌いな科目の中学・高校時代の試験勉強の時に集中できた環境/集中できなかった環境を覚えていると結構ヒントになったりします。)

 

 

ADHD特性がある人の片づけ:壁にぶつかる前に知っておきたい対策

ここまでも、気をつけた方がいいポイントはいくつか紹介してきましたが、先に「こんなパターンで片づけにくい人もいる」ということを知っておけば対策を考えられます。

 

ココに注意

特に退屈、イヤ、つまらないと感じる内容はすぐ脱線しがち

書類の分類など、興味がないものに対してよく起きる現象です。気がまぎれる音楽を聴く、時間制限をつけてゲーム感覚で続けるなど、少しでも退屈にフォーカスが当たらない工夫をしてみてください。

 

ココに注意

忘れっぽい

わたしたちは注意すべきこと、今やろうとしていることを頭にとどめながら行動をしますが、この時の記憶を「ワーキング・メモリ」と呼びます。このワーキング・メモリが小さいことから、記憶しておきたい内容が抜け落ちてしまう傾向があります。タイマーを5分~15分セットして、その間だけ1つに集中する方法だと、忘れずに行動できることもあります。

また、手の甲にその都度やるべきことを書いて目に入るようにしておく、ウェアラブルメモに書いて手首に巻いておくなども有効です。

 

ココに注意

やるからには、もっとちゃんとしたい、ベストを尽くしたい…とハードルを上げてしまう

必要以上に基準が高く、完璧主義な傾向がある方もかなりいると感じています。 それは「認知の歪み」と呼ばれる状態になっているのか、片付けができない正当な理由(自分や他人を納得させるための理由)を無意識的に作るために必要以上に基準を上げているのかはケースバイケースです。

もちろんベストを尽くせるのは素晴らしいことですが、片付けが苦手な状態から一気に完璧な状態を維持できるようになるのは不可能なので、まずは完ぺきではなくても片づけに慣れる、練習をする、実験をする…そんな心持ちで簡単な方法から試してみてください。

 

ココに注意

「~すべき」と思い込んでいる

先ほどの完璧主義と似ていますが、「すべきだ」という思考になっていると片付けが進みにくい傾向にあります。

 

例えば、「物は使いきってから捨てるべきだ」の場合、使い切る基準が不明確なものはいつまでたっても手放せません。「主婦は●●を持っている/できるべきだ」というような考え方も、自分には本当に必要なものをため込んでしまう一因になります。「いただきものは、手放すと相手に失礼だから残すべき」という思考も使わない物を増やします。

 

このあたりはなかなか自分では気づけないので、他人と話をして意見を聞いてみたり、片付け関係のブログで世の中にある自分とは違う考え方を参考にしながら自分を振り返ってみてください。

 

 

ココに注意

時間がない/片付けいたら朝になる/時間内に終わらない

ADHD・特性が強い場合、時間の管理も苦手な方が多いです。片付けの中で作業に没頭してしまうと、時間の経過がまったくわからなくなってしまいます(過集中)。また、片付け所要時間を見積もるのも苦手なので時間が足らなくなることも多いです。

視覚優位な人は大き目の時計を使う、あまり時計を見ない場合には携帯のアラームを定期的に鳴らす、タイマーを15分に1回かけるなど、時間の経過を確認できるシステムを使いましょう。

それと、多くの場合「物を全部出して分ける」などの方法が紹介されていますが、全部出した状態で時間がなくなってしまうと大変です。範囲を決めて少しずつ進めていく戦略がおすすめです。

日常的な片付けについては、1度時間を測ってみましょう。キッチンシンクの食器の片づけ、リビングのおもちゃの片づけ…それらに何分かかるのかがわかっていれば、時間の見積もりの精度が上がります。

 

 

ADHD・特性のある人の片づけ:まとめ

いかがだったでしょうか。

 

巷には片付けの情報がたくさんありますが、特に片付けが苦手だと考えている方に向けた情報はまだまだ少ない現状があります。

 

具体的な作業の順序については、こちらの記事で紹介しています。

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人は誰一人同じ特性、考え、行動をしている人はいませんが、片付けという行動を考えてみた時に、特性が強いほど「その人に会った方法」が大きな意味を持ちます。(逆に言うと、特性が強くなければ少しくらい自分に合わなくても何らかの方法でカバーして片付けながら生活できる場合があります。)

 

まずは、過去うまく行った方法は何だったのか?うまく行かなかった方法はなぜ、どこでつまづいたのか?そういった振り返りを通して、自分を知るところからスタートしてみてください。

 

参考図書:

  • Kate Varness. The ICD Guide to Challenging Disorganization For Professional Organizers, Instituite For Challenging Disorganization, 2011
  • 司馬理英子(監修).『「大人のADHD」のための片づけ力』.講談社, 2018

記事中にも書いていますが、程度が違うだけでこういった特性は誰にでもありますし、「片付けが苦手=ADHD=受診した方がいい」ということでは決してありません。もし今、大きな問題はなく(電気水道が止まったり、社会的信頼を失ったりしていなく)暮らせているのならば、自分に合わせて環境を整えていくと、今よりももっと楽に生きられるようになります。

ぜひ片付けの一般論を自分に当てはめるのではなく、自分の特性を考慮しながら片付けをしていきましょう。

なかなか一人では大変な時は、理解のある家族や友人の力を借りたり、「一般的な片付け方法」を押し付けないプロに依頼をしてみるのも1つの手だと思います。
弊社では、主に北海道のお客様の片づけをお手伝いしております。

詳しくはコチラ

 

 

 

 

  • この記事を書いた人

株式会社OPT LIFE

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