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家を整える 思考の整理

捨てるだけが片付けではない、入口を見直そう

部屋を片付けたい人は、ついついすでに家の中にあるものを手放すことや、収納を工夫することにばかり目が行きがちです。でも、捨てれば片付くのでしょうか?捨てる以上に大切なのは、物の入口の見直しです。この記事では物の入口のヒントをまとめています。

 

 

捨てないと片付かない!と思っている方はまだまだ多いですよね。片付けの本でも「捨てる」が強調されていることもよくあります。

 

部屋を片付けたい人は、ついついすでに家の中にあるものを手放すことや、収納を工夫することにばかり目が行きがちです。

 

でも、捨てれば片付くのでしょうか?

 

 

私がライフオーガナイザーになった後、作業の時に45Lのゴミ袋でいくつもの物も手放すのにその次の訪問までにまた新たに物を買って増やしているお客様に何人も出会いました。

 

もちろん、すでに家の中にあるものもどうにかする判断をしなければならないですが、それと同時に物が家に入ってくる入口についても考える必要があります。

 

捨てても捨てても同じだけ入れていては、いつまでたっても片付け終わりません。万が一捨てる以上のペースで買っていたら、部屋は一生片付きません。

 

これ、文章で読むと当然だと思いますよね?

 

でも、モノをすぐ買ってしまう人は意外にも無意識・衝動的にモノを買っているので、実際に買っているのは自分なのにそれをわかっていません。

 

捨てるに注目しすぎていては、片付けは終わりません。必ず入口もセットで見直す必要がありますね。

 

この記事では、入口を見直すためのヒントをご紹介します。ぜひ、「自分はどうだろう?」という目線を持ちながら読み進めてみてください!

 

 

入口の見直し① あなたが物を買う理由はなんですか?

買わない

実際に買っているのは自分なのに、何をどうして買っているかを意識できていないと「気づかないうちに物が増えていた」ということになってしまいます。

 

さて、あなたにとって物を買う時の理由・基準は何でしょうか?

 

 

もちろん人それぞれ理由・基準は違いますし、物によっても違います。

 

基準は、はっきりしていますか?

 

例えば、服を買う時にあなたはどんな理由で買いますか?選ぶ服は、どんな基準で買う判断をしていますか?

  • かわいい
  • インスタで見た!
  • 流行している
  • みんな着ている
  • 有名なブランドだ

 

これらが理由、基準の方もいます。(当然SNSや雑誌は購買意欲を湧かせる目的もあるので、それが理由になるのは当然ですよね。)

 

この基準で買った後、もしそこまで着用頻度が高くないまま着なくなってしまう場合には、「自分が実際に着る服の基準」をしっかり把握し直すと失敗が減りそうです。

 

それは、あなたが頻繁に着ている服の特徴から知ることができます。例えば、

  • 洗濯が自宅でできる
  • 服の形が普通
  • 首回りが開きすぎていない
  • 丈が短すぎない
  • ちくちくしない
  • 褒められる

必ず自分が手に取りやすい、着る頻度が高い服ってありますよね。

 

これがわかれば、次回からは上の理由にプラスして、下の基準を満たす服だけを買うようにします。

 

そうすると、条件を満たす服は以前よりも数が限られるはずなので、そもそもの買い物が減りますし、買ったのに着ないという失敗も避けられます。

同じように、身の回りにあるすべてのものの基準を、改めて見直してみてください。結構靴、カバン、食器なんかも同じように買った後の使い勝手によって使用頻度が異ってきますね。

 

 

入口の見直し② 自分の「買い物グセ」知っていますか?

 

買い物のクセ
物を買う基準に加えて、あなたが買い物をする時のクセは把握していますか?

 

誰にでも、意識できている/できていないに関わらずクセがあります。そして、そのクセが時には物を買いすぎてしまう原因になっています。

 

 

以下にリストアップしますので、あなたにこんなクセがないか?それによって、部屋の物が増えていないか(+出費がかさんでいないか)チェックしてみてください。

 

買い物グセチェックリスト

  • 欲求が満たされていない時に買い物に行く
  • 最新・限定品にひかれてしまう
  • 安売りしていると、ついストックを買ってしまう
  • 同じシリーズでそろえようとしてしまう
  • 必須と、あればいいなーを見分けられない
  • お店の人に勧められると断れない
  • ちょっと気にいると、なくなった時のために先に大量のストックを買う
  • 買い始めたら、全部揃えないと気が済まない
  • 小さい、ささやかなものは買っても大して物は増えないと思う
  • ストレス発散は、買い物!
  • 常にベター、ベストな物を探すことに抜かりない
  • 子どもの本・おもちゃ・服は、子どもの発育の糧である
  • ネットショッピング。送料無料にするために、何を買おうかな~?
  • ステキな物・ステイタスな物を持っている私って素敵!
  • 不安を埋めるために、買ってしまう
  • 定期購入にした方が安く済むので定期購入が好き
  • 1度いい、欲しいと思ったら、絶対に手に入れないと気が済まない。
  • 忘れたら、見当たらなかったらすぐ買ってしまう
  • コンプレックスを埋めるために買い物をしてしまう

 

 

いかがでしょうか。当てはまる物はありますか?
少しそれぞれに対して補足をしていきます。

 

 

  • 欲求が満たされていない時に買い物に行くと、欲求・欲望の赴くまま、それを満たすように買ってしまうので不要なものが混ざります。よく空腹時にスーパーに行くと余計なものも買ってしまいますよね。アレです。

  • 最新・限定品にひかれてしまう。「今しか買えない!」に弱いと、ついついその場で買ってしまい、後から結局使わなかった経験があるはずです。過去の失敗を思い出して、冷静になって!

  • 安売りしていると、ついストックを買ってしまう場合はそれが確実に使うものであれば問題はありませんが、過剰に買うと場所も圧迫しますし、途中で心変わりする可能性もあります。安売りはちょくちょく行われますので、ストック量を決めておいてそれを越さないことがポイントです。

  • 同じシリーズでそろえようとしてしまう場合、本当は必要なくてもシリーズで揃わないと気が済まない思考回路になっています。本当に必要ですか?

  • 必須と、あればいいなーを見分けられない方もよくいらっしゃいます。あったらいいなーが、いつの間にか「これさえあれば」という思考に変わってしまっています。時間を1週間以上あけてから再度考えましょう。それ、本当に必要?

  • お店の人に勧められると断れないという方もいらっしゃいます。洋服だとボトムスを試着している時に、それに合うトップスを持ってきてくれて、それも一緒に勧められるような場面です。でも、それ、本当に使うの?しっかり見直しましょう。

  • ちょっと気にいると、なくなった時のために先に大量のストックを買うパターンもありますよね。結局ストックはあまり使わずに劣化していくこともあります。注意しましょう。

  • 買い始めたら、全部揃えないと気が済まないという「コレクション癖」の方も大変です。中には、情熱は減ってきているのに、強迫観念のように揃えることが目的になっている方もいます。このタイプの方は、買い始める手を止めるのがポイントです

  • 小さい、ささやかなものは買っても大して変わらないと思っている方も多いです。100均によく立ち寄りちょくちょく買ってしまうタイプです。「塵も積もれば山となる」。

  • ストレス発散は、買い物!という方もいますね。その発散は、あなたを幸せにしていますか?家の中に開けてもいない紙袋や段ボールがあったら要注意です。同時に別のストレス発散法も探すといいですね。

  • 常にベター、ベストな物を探すことに抜かりない方もいます。ある製品のここだけが気に入らないからもっといいものを探す、という方です。そういう方は、使いかけが、部屋中から出てきます。買う前によく下調べをすることが大切です。

  • 子どもの本・おもちゃ・服は、子どもの発育の糧となる…過大評価しすぎると使いきれない量の子ども用品に、家中埋め尽くされてしまいます。終わっていない教材が大量に出てくる家庭も多いです。現実的な時間を考えてみてください。知育、英語教育、右脳パズル系、読み聞かせの本…それを毎日続けるにはどのくらいの時間が必要ですか?
  • ネットショッピング。送料無料にするために、何を買おうかな~?これは私が住む北海道ではよくあります。ただよく考えてみると送料無料のために必要ないものを買う方が、結局高くつきます。手に入れても使わないで置いておくコスト。捨てるにもお金がかかります。

  • ステキな物・ステイタスな物を持っている私って素敵!という思考の場合、とにかく新しくてステイタス性が高いモノをどんどん持つことが多く、管理しきれていないことが多いです。循環させることを考えましょう。

  • 不安を埋めるために、買ってしまう方もいます。物があった方が安心なタイプです。総量をきめておいたり、他の方法で不安を解決できないか考えてみましょう。

  • 定期購入にした方が安いし、注文しなくてよくて便利!も事実ですが、使い終わっていないものが、たくさん部屋から発掘されるケースも多いです。頻度を考えたり、随時オーダーを止めたりする方がめんどくさくなるかもしれません。
  • 1度いい、欲しいと思ったら、絶対に手に入れないと気が済まない方は、手に入れることが目的になっているため、買った後に使わないことがよくあります。あまりにもその頻度が多いと、買い物依存症の傾向があるかもしれません。自分の思考状態を客観視するようにしましょう。
  • 忘れたら、見当たらなかったらすぐ買ってしまう場合、まずは部屋を片づけたり定位置を決めたりしてほしいですね。すぐ買ってしまう場合だと、大量に同じものが出てきます。探さなくていい順環境にしていきましょう。
  • コンプレックスを埋めるために買い物をしてしまうパターンもあります。苦手なものを物でカバーすること自体は悪くありませんが、量が多すぎる場合はそんなに買っても、コンプレックスは解消されません。

 

誰にでも多かれ少なかれあてはまる内容があったのではないでしょうか。

 

 

自分が、買い物をするときにどういう傾向を持っているかをきちんと把握できていると、その行動をしそうな時に意識ができるようになり、次第にストップできるようになります。

 

そうすると、不要なものを買いためてしまったり、そのせいでお金がたまらないということが防げるのです。

 

ぜひ、あなたの買い物のクセを意識してくださいね。

 

 

入口の見直し③ 本当に必要なものと、あったらいいものを区別する

買いグセ

先ほどのリストでも項目にありましたが、本当に必要なものとあったらいいものを区別して考えられると結果的に無駄が減ります。

 

自力では、なかなか気づけないことかもしれませんが物を過剰に持ってしまう人は「本当に必要なもの」と、「あったらいいと思うもの」の区別が苦手です。あった方がよさそうなものに対しても、あれこれ理由をつけて、本当に必要なものだと思いこんでしてしまうのです。

インターネットで「ミニマリスト 持ち物」を検索して、ミニマリストの方々のサイトをみてください。100~300個程度のモノで生活している方がたくさん見つかります。少ないことにも驚くのですが、見ていると案外「私なら、これはいらないわ」と思うモノが含まれているということに気づくと思います。

つまり、ミニマリストとして暮らしている人も、この少ない物の数の中に「本当に必要なもの」と「あった方がいいもの」が含まれているのです。そして、その本当に必要なものについても、「何を持ってどう暮らすか」は、結局のところあなたの価値観次第です。

あなたにとって、本当になくてはならない、必要なものは何でしょうか?そして、それはいくつ必要でしょうか?

これを考えるには、まず、生きるために必要な物事・その内容を考えます。

睡眠、食事、衛生管理、身支度

普通に生活している場合、全員に必要なことです。

そして、その行為に必要な道具を考えます。ここからは、あなたの価値観が反映されます。

 

例えば睡眠に関しても、

・ベッド(フレーム本体+マットレス)
・布団(ベッドのようなフレームが不要)
・寝袋
・ヨガマット(布団より更にコンパクト)
・床にそのまま寝る

どれが最適なのかは人によって異なります。

 

また寝るのに必要なその他のアイテム

・枕
・タオルケット
・毛布
・羽布団
・掛布団
・それぞれのシーツやカバー

の数・種類についても人それぞれです。シーツやカバーは、1枚を朝に洗えば夜には乾くのですが、万が一を考えると替えの1枚があった方が安心という方もいるかもしれません(特に小さな子供がいる方とか)。

 

食事についても、一人暮らしと子どもがいる家庭では必要なものは違います。ワンプレートでOKという価値観の人もいれば、しっかり伝統的な日本食の盛り付けをしたい方もいらっしゃるでしょう。

 

こうやってまずは生存に必須なものを考えていくと、生活に本当に必要なものは案外多くはないのかもしれませんが人それぞれ異なりますよね。

 

それ以外は、あなたにとっては「あった方が暮らしが楽しくなる」、「便利になる」、「充実する」、といった類のものということです。これらも、暮らしをよりよくするのですべてをなくすことは不可能ですが、ないと生活が立ち行かなくなるわけではありません。

家の中の物が増えすぎている、片づけるのが大変だと感じたら、あなたにとって本当に必要なものは何かについて、まずは考えてみてください。

 

実際にそれだけにした方がいい、という話ではありません。でも本当に生きるために必要なものを見極めてみると、部屋を見渡した時に目に入る物に対する感じ方が変わっていくのでぜひやってみてください。

 

入口の見直し④ いい人になりすぎない

ここまでの内容は、意識的にも無意識的にも「自分で買ってしまう」場合についてでした。

物が家の中に入ってくる理由の多くは、自分で買っていることですが中にはそうではないものもあります。

・郵便物(DM)
・ポスティングチラシ
・人からのいただきもの
・試供品
など

これらは、無料で人からもらうものです。

 

ポスティングチラシは郵便受けに「お断り」表示をすることである程度防げますし、DMも会社に止める連絡をすれば送られてこなくなります。

 

 

では、人からのいただきものはいかがでしょうか。

片付け作業に伺うと、人からもらった使わないものが家の収納を占拠していることがあります。「せっかくいただいたので…」と言う裏には、「捨てたら悪い」、「捨てたことが知られたら、関係が悪くなる」などという思いがあるようです。

この辺りは人によって解釈が異なるかもしれませんが、やはり使っていないものに部屋を圧迫されて暮らしにくくなっている状況は望ましくないと思います。

 

結局捨てることになり、そこに罪悪感を感じるのであればまず先に自分は物をもらうのを好まないことを表明しておくといいです。「気持ちだけで十分うれしいです」ということがしっかりと相手に伝わるといいですね。

ちなみに、この考え方は「断捨離」でもはっきり言われていましたが、ここ10年の話ではなく、はるか昔昭和の時代から言われていたことです。『暮らし上手の家事ノート』の町田貞子さんは1911年生まれですが、ご著書の中で

物が増える二つめの原因は頂きものです。ほしいと思っているものを頂いたときは、とてもありがちあのですが、道具や飾りものなどで自分の家にあわない場合は困ります。(中略)要らないものを何年も眠らせておくほど、無駄でもったいないことはありません。””

ということで、それを必要な方に差し上げたり、バザーやセールに出したりするエピソードが書かれています。

 

思い返すと昭和の終わりごろに生まれた私が子どもの頃は、バザーが多くて家の中の不用品を循環させる機会が多かったように記憶しているので、いただいたものを循環させるのはあたり前だったのかもしれません。

 

確かにこの本には、いただいたもので使えるものはその場で判断して、自分で使うか人に譲るという2択なので「捨てる」は入っていません。今では、メルカリなどのサービスを使えば日本中で必要な人にお渡しすることができるので、「捨てる」と罪悪感を感じるものであればまずは「譲る」を検討するといいと思います。

 

世の中には、自分の不要な物を人に「押し付ける」に近いくらいで譲ってさらに恩を着せてくる人もいます(「使っていたから汚れているけど、まだ壊れてはいないから」という感じで、受け取る側の反応を見ずに渡してくる)。一度そういうタイプの方からモノをもらってしまうと、ありとあらゆるタイミングで不用品を渡され続けるので「いい人になりすぎない」ことも時には大切ですね。

 

 

捨てるだけが片付けではない!入口の見直し まとめ

この記事では、片付けというと捨てるにばかり焦点が当たりますが入口を見直さない限り片付きませんよ、ということで入口を見直すヒントをまとめました。
自分はどういう傾向があるか、見えてきましたか。

 

この記事、特にチェックリストは「私が過去にやっていた買い方」を列挙した上で、それにこれまで出会ったお客様のエピソードも思い出しながら作成しています。私自身自分の買い方、ついついやってしまうことを意識するようになってから変わってきました。

 

こういった傾向を自分でしっかり理解して、買い物のシーンで思い出せるようにしていると、結果として買い物の精度があがります。

 

ぜひ「今、自分が買おうとしているものは本当に必要なのか?」考えてみてくださいね。「捨てる」は迷ったり辛い気持ちが伴うことがありますよね。自分が買ったことを後悔するかもしれません。ぜひ、そんな思いをしないためにも入口を見直すところにも力を入れてみてくださいね。

 

 

 

 

  • この記事を書いた人

株式会社OPT LIFE

札幌市~北海道全域 ご自宅を訪問して一緒に片づけをする業者です  ・・・  毎日探し物・忘れ物で時間に追われる、家でくつろげない、片付けてもすぐリバウンドしてしまうを解決 ・・・  片づけの先にある 「本当は、〇〇したい」を叶えるお手伝をしています

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