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ライフオーガナイズ 思考の整理 未分類

アンガーマネジメントとライフオーガナイズ

日本ライフオーガナイザー協会は、年に1度カンファレンスがあります。カンファレンスは会員同士が交流を深めるだけでなく、外部講師や海外で活躍するプロフェッショナルオーガナイザーを招いての講演で学びを深められる貴重な機会です。

 

 

この記事では、今年2023年のカンファレンスで得た情報・知識の中から片づけで困っている方にも活用していただけそうな内容を(独断と偏見で)ご紹介します。

 

 

 

 

まず1つ目は
アンガーマネジメントとライフオーガナイズ。

photo by JALO (Mamiko Aida)

 

(一社)日本アンガーマネージメント協会の安藤俊介代表理事による講演で、演題は 『「もっと楽にもっと生きやすく」を実現するためのアンガーマネジメント第一人者から学ぶ「怒り」や「イライラ」と上手く付き合う方法』 です。

 

 

オーガナイズの現場では、たびたびクライアントさんの怒りに向き合わなければいけない場面に遭遇すると思います。

 

 

なぜクライアントさん達は怒ることがあるのでしょうか。オーガナイズすることで、もっと楽にもっと生きやすくなるはずなのに、です。

 

 

オーガナイズすることは、少なからずこれまでの何かを変えることになります。何かを変えることが得意な人は、オーガナイザーの手を借りるまでもありません。つまり、オーガナイザーが向き合うクライアントさんの多くは変わることが苦手、変化することを好まない人が必然的に多くなります。

 

 

変わることの苦手な人は怒りの感情と上手に付き合うことが苦手でもあります。今回は、クライアントさんの抱える怒りとどう向き合えばよいのか、コミュニケーションの鍵となる事実、感情、思い込みの関係を現場でもすぐに使えるようにアンガーマネジメントの視点から解説します。

 

https://jalo.jp/schedule/jalo2023conference/より

という概要の講演でした。

 

「変わることの苦手な人は怒りの感情と上手に付き合うことが苦手でもあります」は、現場で遭遇することがこれまでにもありました。

 

 

人生をよりよくするためにオーガナイズという行動をとっているにも関わらず、「オーガナイズするということは、少なからずこれまでの何かを変えること」であるために、変化が苦手な方はなかなか変わっていけない。これまでの経験でも思い当たるところがあります。

 

 

現状の部屋の状況に満足していない方から作業の依頼が来るのですが、その背景はクライアントによって様々です。

 

 

仕事に家事に忙しくて自分では手が回らないから、プロに早く考えて欲しい方もいらっしゃいますし、ストレスや孤独、怒りを抱えていてそれが部屋に投影されてしまっているような方もいます。

 

 

これらはヒアリングの時に紐解いていくので、今回の講演を聞いている時には「このような状況をアンガーマネジメントの言語では、こういう切り口、表現で解説するのか」と興味深く聞いていました。

 

 

 

 

 

アンガーマネジメント×ライフオーガナイズ①: コミュニケーションでは伝える側の意図と受ける側の理解が異なることがある

 

私たちは話をする際に、事実だけを伝えていれば多くの場合は相手もその事実を受け取ります(そうじゃない場合も時々あって、そういう話は私は結構ニューロダイバーシティの観点で感じることがあります)。

 

 

でも実際には事実だけではなく、伝える側本人の感情や思い込みが混ざった状態で話をすることが多いです。そうすると、伝える側の意図と受ける側の理解が対にならないコミュニケーションが生じてしまいます。

 

 

元々、私はヒアリングの時にクライアントの話を訊く際には、事実と感情、思考を分けて捉えるようにしてきました。

 

 

その「思考」の部分は、クライアントの推測や理想、時にはクライアントがモノゴトをどう捉えているかを分けていくことが私の場合は多かったのですが、そこで「思い込み」に意識的に気付こうとするとまた新しいアプローチが増えそうです。

 

 

アンガーマネジメント×ライフオーガナイズ②: 片づけでもよくある思い込み

 

photo by JALO (Mamiko Aida)

片づけの現場でも、思い込みを実感する場面はよくあります。

思い込みを象徴する言葉の一例として、

 

・べき
・はず
・みんな
・当たり前
・常識

 

などがあるそうです。こうやって並べてみると、確かによく聞く言葉たちですね。

これらは誰にでも必ずあります。全てを手放すことはできませんし、手放さなければならないわけでもありません。

 

 

実際に片づけが苦手で困っている・悩んでいるクライアントの中には、「ねばならない」に苦しんでいる人が沢山いらっしゃいます。

 

 

・一度手に入れたものは、使い切ってから捨てなければならない

・人から頂いたものは、大切に残さなければならない

・子どもの物は全部とっておかなければならない

・ペットボトルは資源回収に出さなければならない

・お母さんは家族にたくさんの野菜を食べさせなければならない

・書類はきちんとファイリングせねばならない

・家は収納の中までいつでもピカピカにしなければならない

・使える物を捨てるのは勿体無いことなのでしてはならない

 

最近では逆に

・もっと物を捨てなければならない

という逆方向のねばならないに苦しむ人もいます。

 

 

パッと思いつくこれら以外にも、きっとそのご本人にしかわからない「ねばならない」がもっと沢山あると思います。

 

 

これらの思い込みが、物を整理する、決断していく…つまり変化していくための行動を妨げてしまうのですね。

手放せない、減らせないのは「物」なのか、自分を苦しめる「べき」なのか。改めて見つめ直す必要がありそうです。

 

 

アンガーマネジメント×ライフオーガナイズ③: 苦しみ、怒りになる前に私たちができること

 

今みてきたように「べき」は誰にでもありますし、なくすことはできない、全てを失くす必要があるわけではありません。

 

 

でも、その「べき」が自分だけでなく周囲に対しても向けられ、さらに「〜ねばならない」に強化されていくと、それが満たされない時に怒りとなって自分や周囲を苦しめてしまうそうです。(たしかに。心当たりがあります。)

では、どうしたらいいか…というと対策は2つ。

 

 

ポイント①「~ねばならない」の状態になる前に、その「べき」を軽くしておく

許容範囲を広げるということですが、先ほどの例を使って考えてみると

・一度手に入れたものは、使い切ってから捨てなければならない
→どうしても使用する際に不快感が出てくるなら、〇回使えばよしとしよう

・人から頂いたものは、大切に残さなければならない
→相手にお礼をしっかり伝え、自分で記録していつ何を頂いたか記録すれば使うもの以外は手放してよし

・子どもの物は全部とっておかなければならない
→量を決めて現物を残して、あとは写真に撮ればよしとしよう

・ペットボトルは資源回収に出さなければならない
→水のペットボトルは資源回収に出せばよしとしよう

…etc

 

これは一例なので許容範囲の拡げ方は人によって違うと思いますが、こうやって許容範囲を広げることで、自分に対しても怒りや失望は起きず過ごせそうな気がしますね。

 

 

ポイント②健やかに、ストレス少なく暮らしておく

自分の「べき」「ねばならない」が満たされない、侵される場合には怒りや苦しみにつながるわけですが、それが耐え難い感情になる時もあったり、スルーできたりする時もあったりしませんか。

それは、「自分の状態」に左右されるからだそうです。

自分がストレスが溜まっていたり、疲れていたりすると沸点は低くなりますよね。でも、調子がよかったり満たされているとそこまですぐキレることはありません。

普段から健康に気をつけて、自分の状態をよくしておく…それも苦しみや怒りを軽減するには有効です。

では、どんな状態だったら自分は健やかなのか、ストレスフリーなのか、満たされているのか…?まずはそれを知る必要がありますね。

 

あれ?これは私たちになじみのあるフレーズではないですか!そう、自己理解が必要なのです。

 

 

 

アンガーマネジメント×ライフオーガナイズ

 

日本アンガーマネジメント協会の安藤理事は、

 

「アンガーマネジメントはその入口として怒りを扱うけれど、本質は自己理解」

 

とおっしゃっていました。

 

ライフオーガナイズも、入口は空間の整理だけれど、本質は自己理解や人生そのものの最適化です。

 

物が手放せなかったり、変化を受け入れられないのは、そこに人それぞれの思い込みがあるから。

 

 

家の中の状況、物の持ち方など、空間に対する価値観を把握し、整理していくことで自己理解も深まる。

 

 

そしてそこから得た自己理解を暮らしや人生に適用して考えていくからこそ、人生の最適化につながる。

 

 

そう考えるとアンガーマネージメントとライフオーガナイズは「自己理解」に重点を置いていることが共通しています。

 

 

安藤さんは

 

自己理解が幸福につながるし、周囲も幸福にする

 

という表現をしていましたが、自分の価値観を知り理解しなければその価値観を満たすような手段を見つけられません。同じように日常的に私は好んで「特性」という表現を使いますが、自分の特性を知っているからこそ、最適な方法が見つかるのです。

 

 

世の中、自分の価値観を満たす行為、手段はたくさんあります。でも、大元の自分の価値観がわかっていないと、手段を目的だと錯覚してしまうことさえも起きてしまいます。

 

 

自己理解については日々考えているけれど、理解を深めることはやっぱり大切なことだと、改めて考えさせられる講演でした。

 

 

 

ここまで読んでくださったあなたの「~べき」、「~ねばならない」は何ですか。

 

 

それはあなたをあなたらしくしているものですか?それとも、苦しめているものですか?

 

 

まずは日常生活で意識したり、記録をするところからスタートすると、どんどん気づけるようになるそうです。

ぜひ試してみてくださいね。

 

  • この記事を書いた人

株式会社OPT LIFE

札幌市~北海道全域 ご自宅を訪問して一緒に片づけをする業者です  ・・・  毎日探し物・忘れ物で時間に追われる、家でくつろげない、片付けてもすぐリバウンドしてしまうを解決 ・・・  片づけの先にある 「本当は、〇〇したい」を叶えるお手伝をしています

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