「片付けるためには物を減らしましょう」とよく言われますが、あなたはそう言われてすぐ減らせますか? 世の中にはなかなか物を減らせない方がたくさんいます。
物を減らせば減らすほど、片付いた部屋を維持するのが楽になるのは事実ですが、かといって何もかも減らせばいいのではありません。
なかなか物を減らせない人におススメの方法は、どこまで減らすのか、何を減らすのかということを片付ける前にある程度決めておくこと。
物を減らしていくためには、自分にとっての物の適量を把握することが先決です。
こんな方におすすめ
- たくさんの物を持っていて、片付けにつまずいている方
- 捨てろ、捨てろ言われて悩んでいる方
- 片付けるために物を減らしたいが、いざ手に取ると「いつか使うかも」と思ってしまう方
片付けたいのになかなか物を減らせないと嘆く前に…
まず、片付けたい部屋を見回してみましょう。目につくモノの中に持て余しているモノはありませんか?
もちろん物を減らせば減らすほど、維持管理は楽になります。
しかし、持ち物には人それぞれの「適量」があり、人によって維持・管理できる量は違います。
いわゆる「汚部屋」、「汚屋敷」と言われる状況の場合は100%、持っている物が適量を超しているケースなので、とりあえず減らした方がいいです。
また、一見部屋は片づいているようでも探し物が多かったり、収納内が使いにくい場合も物を減らした方がいいです。
どんなモノでも、いったん「適正量」を超えてしまうとそこからはコントロール不能になり、維持管理に時間がかかる、管理が億劫になる、総量を把握できていない、二度買い、紛失、片付かない、家にいたくないから外出ばかりするといった事態を招きます。
自分にとって「物の適量」はどれくらいなのか?そして、どんな場合に減らしたらいいのかを考えてみましょう。
どんな物が減らせる?大好きな物の維持管理は大変じゃない!
まずは「減らす」について考える前に、何か大好きなモノがあったり、コレクションをしている方は、イメージしてみてください。
コレクションの維持・管理に時間がかかったとしても、めんどくさいとは感じませんよね?
むしろ、大好きなモノに関わっている時間が長く取れるのが、喜ばしいことのように感じるかもしれません。
ある知人は、長年ファンであるアイドルグループの写真集、録画DVDなどのコレクション棚を毎日きれいにしながら、そのアイドルに思いを馳せてはドキドキしているそうです。
食器が大好きな知人は、食器を使うときはもちろん、使用後に食器を手洗いし、拭いて、食器棚に戻すまでの間が至福の時だそうです。
また、別の方は、靴が好きで数多く所持していますが、すべての靴を把握し、日々洋服に合わせて選び、靴磨きも幸せを感じる時間だそうです。
棚のホコリ掃除も、食器洗いも、靴磨きも、苦手な人にとってはできる限りやりたくなく、減らしたい時間です。
でも、本当に好きな物に手間暇かけることに私たちは苦痛を感じず、片付けに苦労していたとしてもその物やその維持管理にかかる時間を減らしたいとは思わないのです。
ココがポイント
好きな物 = 維持管理が大変でも幸せ = 適量
減らすための手がかり、適量のバロメーターは「不快感情」
では、次に減らした方がいいケースについて考えていきます。
片付けたい部屋を見渡した時に、不快な感情が湧き上がるものはありませんか?
ここで言う不快は、明らかな「イヤ!!」だけでなく、言葉に表せないモヤモヤ、気持ちが沈むなども含みますし、「やりたくない」や「面倒くさい」、「後回しの蓄積によるストレス」などです。
物を減らすというと、必ず減らせない理由を述べる方がいます。
「ファッションが好きだから、少ない洋服なんてつまらないから減らせない!」
こう言う方はたくさんいます。でも同時に、維持管理を面倒に感じている方もたくさんいます。
脱ぎっぱなし、クリーニングに持っていくはずの服が溜まり続けて数か月経過している、毛玉だらけ、洗濯が面倒で後回しにする、服が山積みになり、いつもシワがある…。
こういった場合、「ファッションが好き」が事実であっても、管理できる服の適正量を超しているのです。
この状態になっている場合は、一度持っている服の内容、総量の見直しをしてから減らしてみましょう。
私たちは1日に1パターンの服しか着られません。そう考えると、実は1か月で着られる服の数はそこまで多くありません。
毎日のコーディネートを写真に撮って記録してみると、最近頻繁に着ている服というのは案外パターン化しているものです。
自分の適量まで減らせると、洗濯やクリーニング、日々のブラッシングなどの維持・管理がしやすくなり、よりファッションを楽しめるようになります。
「かわいい物を飾るが大好きで、囲まれていたいから減らせないんです!」
こう言う女性のお部屋では、沢山のかわいい雑貨がとても片付いたとは言えない状態でホコリまみれになっていました。
飾ると飾るだけ、掃除が大変になります。ホコリまみれになった、かわいい物は大切にしていると言えるでしょうか?そう見えますか?
手入れができないのは、その雑貨をそこまで大切にしていない証拠です。
よくよく話を聞くと、片付けなくちゃ、掃除をしなくちゃ…と初めのうちは思っていたけれど、だんだんと億劫になりその場所を今では見ないようしていたそうです。
これら2つのケースでは、両方とも物を持ちたい理由を述べつつ、実は不快感情が伴っていることがポイントです。
やらなくてはいけないコトを後回しにしていると、心のどこかにそれが引っかかっていて、ストレスになります。
ただ、多くの場合私たちは自分の行動を否定したりされるのを望まず、物の管理ができない理由を考え、正当化し、やるべきコトを後回しにしてしまいます。
例えば、「本当は片付けたいんだけれど時間がない」、「思い出が詰まっているので、普段はどうでもいいんですが手放せない」など。
また、そこまで大量に物を持ってしまう「本質的な問題」から目をそらしている場合もあります。
例えば、本当は寂しいのを物を所有することで紛らわせている、自信がないのを、高価な物を集めることでカモフラージュしているなど。
不快感情をきちんと捉えれば、何を減らした方がいいのかに気づけます。
ココがポイント
見て不快感情がある物 = ストレス = 減らす対象
適量まで減らすために、自分にとって大切なものを厳選する
ここまで、物には適量があること、物を持ち続けるかどうかのバロメーターは「不快感情」であることを書きました。では、適量を超している場合にはどうしたらいいのでしょうか。
片付いた部屋を手に入れるためには、物を減らした方が維持管理が楽になります。「物を減らす」を別の言い方にすると「物を厳選する」こと。つまり、自分に必要のないものを減らすのです。
減らす、手放すと聞くと拒絶反応を起こし、なおさら減らせなくなる方もいます。
長年片付いていない大量の物に囲まれた生活をしていると、物がない暮らしを想像することすらできません。人は、想像できない世界を自力で実現するのが難しいため、少しずつ片付けて目に見える景色を変化させていく必要があります。
ここでまた大切なのは片付けの目的です。
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私たちは今まで手に取った物を捨てる、捨てないと判断する片付け方に慣れてしまっているため、実際に減らすための「厳選」作業をしていると視野が狭くなり、物にだけ焦点を当ててしまいます。
つまり、物をみるたびに壊れていない限りは「まだ使える、使うかもしれない、もったいない」と考えて減らせないことが多いのです。
そういった時には、何度も「片付けの目的やゴールは何か?」を思い出してください。
そして物自体に焦点を当てるのではなく、視野を広げてこの先の自分に焦点を当ててみてください。自分の想像する片付いた理想の暮らしの中で、その物を持っているのかどうか。
本当に大切な物(維持管理、手入れに時間がかかっても苦痛じゃないもの)は、生活に支障なく維持管理できる範囲でぜひ減らすのではなく残しておきましょう。
それと比較して、優先順位が低い物は、減らす時にストレスを感じたとしてもそれは一過性です。部屋の片付けが終わる頃には、必ず手放してよかったと感じます。(もしくは存在自体を忘れています)
まずは、自分が大好きな物、そして見るたびに「不快感情」を感じているものは何かを明確にしてみませんか。そこから減らすステップを考え始めましょう。この作業を行うときには、頭の中でではなくぜ書き出してみることをおススメします。
減らすものが決まったら、手放していきましょう。
優先させたいのは理想の暮らし、大好きな物、時間をかけたいモノゴトです。反対に、片付けるために減らしていきたいのは、不快感情を引き起こす、ストレスになるモノゴトです。これらがはっきりしたら、実際に片付けを始めていきましょう。
ストレスを起こすものは、どんどん減らして片付けていきましょう。そうすることで、好きなモノゴトに使える時間も増えていきますよ。
私も片付けが苦手だった頃には、何を減らしたらいいのか考えたことがありませんでした。
よく言われる「今使っていないものは捨てる」「いつか使うは一生使わないから捨てる」などの基準を頭ではわかっていても実際には減らすことができずにいました。
そんな私とは逆に、たくさんの物に囲まれていても片付いた暮らしをしている人とも出会い、物の持ち方や適量には個人差があることに気づきました。
たくさん持っていてもまったく困らない、むしろ幸せを感じるモノもあります。逆に、少量でもストレスになるモノもあります。
片付いた状態も人によって個人差がありますが、減らすべき物についても個人差がある。そんなところに目を向けてもらうことで、片付け…特に減らすことに苦手意識がある人は楽になるのではないでしょうか。