夫婦で片付けに対する意識が同じくらいの場合は問題になりませんが、それが異なると悩みを抱える原因になります。この記事では、夫婦の片付けの悩みを解決するために考えるべきことをご紹介しています。
夫婦の片付けの悩み相談は多いです。
こんな悩みを抱えていませんか。
それを一瞬で解消するような魔法はありませんが、どのように考えれば改善していくのか「夫婦の片付けの悩み」を解決するために知っておいた方がうまくいく内容についてまとめました。
この記事は、パートナーや家族が片付けが苦手で悩んでいる方におすすめです。
最終的には、最適解の数は家庭の数と同じだけあると思います。ひとそれぞれ、置かれている状況も考え方も違います。
ぜひ、この記事を読んでくださっている皆さんの夫婦の「最適解」を探るヒントにしてくださいね。
もくじ
(1)夫婦の片付けの悩みを解消するために、まず知っておいてほしいこと
夫婦の片付けの悩みは、夫婦間で片付けがどのくらい得意か、どのくらい片づいた部屋が好ましいと感じるかなどのレベルに差があるために生まれます。
つまり夫婦が同じくらい片付けが得意であったり、逆に同じくらい苦手で散らかっていてもまったく気にならないという場合は、悩みは生まれません。
どちらかが正しいわけでもなく、相手をコントロールして片付けさせるのは不可能です。まずは同じ家で暮らす夫婦でも、得意不得意や見えている部屋の景色は異なるという事実を覚えておいてください。
こんな部屋が理想だとして、維持できる…?
①ロールモデルがいない私たち世代は、夫婦で至高点を探っていくしかない
私たちは、知らないコトや想像すらできないコトは実行できません。
お母さんが家事を担い、家を片付けていた家庭で育った場合、お母さん以外の誰かが家事をしたり片付けをするという光景をイメージすらできていないかもしれません。
(言われなくても説明されなくてもイメージができる人と、まったく脳裏をかすりもしない人がいます。)
また、散らかった家で育った場合は何をどうしたら日々片付いた家が保てるのかを知りません。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/pdf/g0212.pdf
私たちが思い描く子育てのやり方や家族の在り方は、自分が子どもの時の経験がベースになっている場合が多いです。
今40~50歳の私たちが子どもだった70~80年代は、専業主婦家庭が多かったですよね。
そのため専業主婦の母親が、家事育児をすべて行っているような光景が思い浮かぶケースが多いかもしれません。
しかし1990年代前半頃に専業主婦家庭数と兼業主婦家庭数は逆転し、今は夫婦ともに仕事をしている家庭が当たり前です。
当たり前ですが。
私たちの多くは専業主婦の家庭で育っているので、働きながらの家事育児についてはロールモデルがいなく、自分たちで試行錯誤するしかない世代なのです。
昔は片付けや掃除は家事の1つ、主婦の仕事のようにとらえられていましたが、現在ではそうではありません。
自分の生きる環境を適切に整えるのは、基本的には生きている限り老若男女問わず生きるために大切なスキルです。
でも、それを理解していない方はまだまだたくさんいます。
どのくらいの家事や片付けをするのかについては、家庭ごとに至高点(もしくは妥協点)を探っていくしかありません。
ロールモデルがいないので、私たちは「共働き家庭での家事や片付け」の適切なバランスを誰も知らないです。模索してるところです。
女性でも、自分の頭の中にある「理想のお母さん像」、「理想の部屋の状態」、「理想の片付いた部屋像」にがんじがらめになって、モヤモヤしている方もいます。
片付けだけに限らず、私たちは知らないコトやイメージできないコトを行動にうつせないため、うまくいかないたびに(ストレスを感じるたびに)家族で解決策を考える必要があります。
ポイント
まずは、うまく行っていないと感じるたびに、ストレスが大きくなる前に夫婦で話をして落としどころを考える!
次に、片付けに対する個人差についてご紹介します。
片付けのストレスが溜まってくると、自分の考えが正しくて、それをどうやって相手に理解させようかという思考回路になりがちです。まずは、個人差について理解しておくと、解決方法の選択肢が増えます。
(2)夫婦の片付けの悩みは片づけに対する個人差から生まれる
片付けの個人差とは・・・
- 片付けレベルは違う、いい悪いではない
- 片付けに対する優先順位も違う
- やり方がわかっている人、いない人がいる
- 元々気にならない人もいる。気にならないのに、気にするのは不可能
- 逆にキレイ好きな人は日々ストレスをためて暮らしている
片付けレベルはみんな違う、いい悪いではない
片付いている方が正義、片付けられないのは悪のように捉えられているケースが多いですが、家族内に正しさを持ち込んでしまうと、状況がますます悪化します。正しいかどうかだけが基準にはなりません。
片付けは「いい悪い」で判断される話ではありません。本来はどのくらい片付いた状態が好ましいか、どこまでの散らかりが許容範囲かというのはその人の好みです。
散らかっている度合いが境界線を越していて虫が湧く、支払いが遅れて水道や電気が止められているなど日常生活に大きな影響が出ている場合(別記事参照)はすぐに状況を変えた方がいいので別ですが、そこまでいかなければ基本的には片付けでどこまでが許容範囲かは個人差の範疇です。
息をするように片付けが当たり前にできる方もいれば、得意ではないけれど一生懸命努力している方、努力してもどうしようもできない方、片付けられないことを気にしていない方もいます。
これは人によって異なりますが、その人の努力でどうにかなるものではない特性の場合もあります。
視力が悪い人に「視力が悪いなんて、見る努力がたらないからだ」と言ったり、、目が悪いことを責めたりはしませんよね?
「片付けられるのが当たり前、できる方が正しい、片付けができないのは悪い」という意識を持ってしまっていませんか?
片付けができないのは悪いと思っている場合、相手にはどのような言い方で伝えていますか?
片付けに対する優先順位はみんな違う
時間をかけて完璧に片付けてホテルライクな暮らしをしたい方もいれば、できる限り時間をかけずに別の何かに時間をかけたい方もいますよね。
日常生活の中で片付けの優先順位は人それぞれ異なる、とぜひ覚えておいてください。
やりたくないモノゴトは、なかなか進みませんよね。
片付けのやり方がわかっている人、いない人がいる
私自身も大人になってから講座を受けて、片付け方をはじめて学びました。その前にも、テキパキと家事や掃除をこなす義姉を見る機会はあったのですが、見るだけで学べませんでした。できる人とできない人の差があります。
私たちは子どもの時に片付けを習わずに自己流でやってきたのが当たり前でしたが、今は小学5年生の家庭科で習う時代です。
できる方にとっては当たり前でも、できない方はやり方がわからず想像すらできません。できるようになるためには、方法を知って練習するしかありません。
できる人は「なんでできないの?」と思ってしまいがちですが、私たちは誰でもやり方がわからずにできなかったことがありますよね。
やり方が明確にわかればできるようになるケースも多いです。
元々散らかりが気にならない人もいる。気にならないのに、気にするのは不可能
気になる方からは想像もできないかもしれませんが、元々対して部屋の状況が気にならない方もいます。目からは視覚情報としては乱雑な部屋が入ってきているはずなのですが、脳の処理過程でそれが消え去るといいますか…。
例えるとすれば、私たちは頭で別の考え事をしていたり、急いで焦っている時に鍵をしめたかどうか覚えていないことがありますよね。他には、物をどこに置いたか思い出せないということもあります。
それと同じような現象が、気にならない方には常に起きています。別の何かをしているから、考えているから、部屋の散らかりは目に入っていないのです。
見えていないもの、気にならないコトを気にするのは不可能です。
まずは本人が意識できるようになるために、気にしてもらえるような工夫を考えてみましょう。
逆にキレイ好きな人は日々ストレスをためて暮らしている
私は元々できないタイプであり、片付けられない人をサポートする仕事なので片付けをできない立場を擁護しがちですが(笑)、逆に片付けが得意できれいな部屋が好きな人は、散らかった環境で日々ストレスをためて暮らしているという事実も忘れてはいけません。
キレイ好きで、心地よく気分良く過ごしたい。そのために努力をしているのに家族は理解しようとしてくれない、協力もしてくれない、散らかすばかり…。
このような状況が続いていたら、家にいても心が休まず、辛いですよね。
片付けが得意な方は苦手な人について、片付けが苦手な方は得意な人が散らかった家でどのようなストレスを抱えているのか、思いを馳せてみてください。
具体的に何をすればいいか、どのように歩み寄っていくのかを考えていくしかないのです。
ここまで、夫婦の片付けの悩みの前提として知っておいた方がいい内容をまとめました。
この次に解決策の考え方を紹介しますが、その前に質問があります。
あなたはパートナーを思いやり、大切に考えていますか?
また、大切にされていると感じていますか?
あなたは片付けのゴールを考えていますか?
実は、ここが一番大切なポイントです。
私たちは自分の希望を相手に伝えた際に、それが何度も叶わないと自分自身もが大切にされていないと感じてしまいます。
私たちは誰でも基本的な承認欲求があって、相手に認められたい、大切にされたいと思っています。
片付けの悩みは、部屋が散らかっているかどうかだけが問題になっているだけではなく、夫婦の普段からの関係が反映されている場合が多々あります。
自分を大切にするには?
相手を思いやり、相手を大切にしている気持ちが伝わるようにするには、どのような解決方法が考えられますか?
少し自分の心と向き合ってみてください。
また、思いやりの心を持っていることや相手に持っている愛情は目に見えないものです。目に見えないのでその質を比較することはできないのですが、例えばお互い思いやりや愛情を同じだけ持っているとしても、愛情表現の仕方は異なります。気持ちと、その表現方法は分けて考えてみましょう。
ここからは、夫婦の片づけの解決のためのヒントです。
1 + 1 = 2というような確実な答え、誰にでも通じる魔法はありませんが、ヒントを踏まえてわが身を振り返り、そして夫婦で片付けについて考えてみてください。
夫婦の片付けの悩みを解決するためのヒント集
夫婦の片付けの悩みを解決するためには、あなたの家の至高点(妥協点)を見つけることが大切です。
他人に任せても、理想は手に入らない。文句を言う前に、どうすれば近づけるか、その行動を考える。
自分が片付けが得意で、相手が苦手な場合(相手のやり方に不満がある場合)、まずは自分で何ができるか具体的な行動について考えます。
自分が得意で相手が苦手な場合は、片付けられない相手を責めてしまったり、伝え方も文句で合ったり、片付けをさせる指示になる場面が多いようです。
でも先に書いたように、散らかりが気にならない人だったり、やれと言われても片付け方法がわからないケースもあります。
まず、得意なあなたが状況をよくするために何ができますか?
相手には、どう伝えますか?
夫婦ともに歩み寄れるベスト(至高点)を考える。80%程度の妥協点をすり合わせがポイント
どちらかの希望が100%叶い、もう片方の希望が何も通らないというのはあまりよくない落としどころです。お互いが努力してある程度で妥協できるポイントを歩み寄り、すり合わせていくことが大切です。
自分が片付けが苦手だったら、少し努力をして、時間をかけて片づける習慣を作りましょう。片付けを忘れないように工夫をしましょう。
自分が得意だったら、相手を責めたり強要するのはやめて相手をフォロー・サポートしましょう。
私がお客様におすすめしているのは、家族全員で片付ける時間をもつ作戦です。アラームを掛けて忘れないように工夫をします。
室内空間へのイメージは違う。言葉ではなくてビジュアルを共有する
「きれいな部屋」「片付いた部屋」と聞いて、ホテルのように物がない部屋を想像する方もいれば、物が沢山あるけれど収納内に収まっている状態や、床には何もないけれど収納内にはたくさんの物がある状態を想像する方もいます。
部屋へのイメージは人それぞれ違います。
そのため、どのくらいの状況にしたいのかということはできるだけビジュアルで共通認識を持つようにしましょう。
モチベーションをあげるため、片付けの目的や意味の共有がポイント
なぜ片付けないといけないのかを理解できない人もいます。散らかっていても死なないし・・・的な発想をする方ですね。
片付ける目的や意味がわかれば納得できる人もいます(頭では理解している、という状態であり、行動にうつすのはまた次の段階です)。
これは人によって違うのですが、片付けで得られる利点が想像できるようになると行動するモチベーションになります。
片づいていると、いいことは何か?風水だったり、スピリチュアルなどがモチベーションになる人もいらっしゃるようです。
ぜひ、片付け意味についても共有してみてください。
思いやりをもって、話し合いをしていきましょう
先ほど質問を書きましたが、夫婦の片付けを解決させるための一番のポイントは相手をコントロールしようとせずに至高点・妥協点を見出すことです。
相手のストレスに思いを馳せ、自分はどう考えているのか、どうすればお互いがある程度満足できるような落としどころを探せるのかという視点が欠かせません。
ここまで夫婦の片付けの悩みを解決するためのヒントを紹介しました。
何とか自力で解決しようと躍起になって、ひとりでイライラしながら、片づけを成功させるのは非常に難しいです。
そして家の中でストレスを溜め続けているのもよくありません。
夫婦ともにストレスフリーで過ごせる家とは…?
ぜひ、自分の思い・考えを振り返り、整理してみてください。
そして、今後どのように夫婦で片付けを共有し、進めていくかぜひ計画してみてくださいね。
客観的な立場も含め、夫婦で一緒に物を選んだり、定位置を決める理由を考えていく過程で気づくこともたくさんあります。
よりよい家庭環境をつくるために、ストレスフリーの暮らしに近づけるために、サポートさせていただきます。
夫婦だけでなかなか片付けが進まない方は、ぜひご相談くださいね。