片付かないのは、順番をまちがっているから?
片付けに苦手意識がある方には共通して「今まで片付けに挑戦したけれど、リバウンドをしている」という経験があります。また、どこからどう手をつけていいのかわからない人もいます。
いつの間にか身につけた自己流の片付け方法、雑誌、書籍、ブログやテレビなど巷に溢れている情報を参考に片付けをしても、またリバウンドをしてしまった。結局片付かないままになっている。そんな経験ありませんか?
この「リバウンド」には、実は様々な原因がありますが、片付け方が中途半端だったり、維持するのが難しい収納にしてしまったりするケースが多いです。
こういったリバウンドを避けるためにも、そしてスムーズに片付けを終わらせるためにもまずは片づけの順番、手順を守って片付けをしてみてください。
この順序をすっ飛ばして根本的な間違えをしてしまうと、どうやって片付けたとしても片付け終わりません…。
片付け成功のカギとなる、「順番」とは
片付けの順番の話をする前に、そもそも一言に「片付け」と言っても、その中には様々な行為が含まれています。
片付けに関係する単語がいくつもあることをご存知でしょうか。
例えば、「片付け」、「整理」、「整頓」、「収納」。
これらの単語は、それぞれ異なる行為を表しているのですが、違いをはっきりと説明できますか?
まず、私たちが日々口にする「片付け」。
この「広義の片付け」には、毎日するコトと、その土台となる環境づくりがあります。
- 毎日するコト
- 片付け:使ったものを元にの場所に収める(戻す)、ゴミを捨てる
- 整頓:使いやすく、乱れを正して整える
- 片付けやすい環境づくり
- 収納:定位置を決めて、家具や容器(収納用品)に入れて使いやすく収める
- 整理:要不要の判断をして、不要なモノを取り除く
このように、それぞれの言葉は違う行為を表しています。
散らかった部屋を前に、ついつい衝動的に手を出し、とりあえず要らないモノをゴミ箱に捨て、必要な物を棚にキレイに並べる…こうやって様々な行為を並行して行っていませんか?
雑誌、SNSなどで紹介されていた収納用品があれば片付くと思って、何を入れるかも検討せずに先に揃えたりしていませんか?
各ステップをごちゃまぜに片付けをしてしまうと、全てのステップが中途半端になってしまいます。
その結果、途中で挫折してしまった、片付け終わったが、すぐに元通りになってリバウンド…などということになりかねません。そのため、片付けは各ステップを順番に行う事が大切です。
以下、その順番を1つずつみていきますが、片付けの順番は、まずは片付けやすい環境づくり(土台)からはじめます。
片付けの順番① 今のストレスや、目指す方向性を考えよう
順番の初めは、考えるところからです。普段、学校や仕事について考えるとむやみやたらに行動しませんよね?片づけも同じです。
まず、散らからない部屋の条件について考えてみましょう。
☞ 部屋を心地のいい状態に保つためには、毎日ゴミを捨て、使ったものを決められた場所に戻す必要があります。
この当たり前のように聞こえる「使ったものを戻す」。これさえできれば、部屋は散らからないのですが、これがなかなかできないのです。
ただ、それは誰でもわかっていて、わかっていてもできないのが現状です。そんな時は、まずは片付けやすい環境づくりからしてみる必要があります。
環境づくりで大切なのは、使いやすい収納と、自分で管理できるだけの物量です。
これは、人によって個人差がありますが、片づけが苦手と感じている人の多くは自分で管理できる以上に物を持ちすぎている傾向があります。
まずは、整理(要不要の判断をして、不要なモノを取り除く)がポイントになりますが、「要不要の判断」はどうやってすればいいのでしょうか?
そこで要不要の判断を簡単にしていくために、まず先にするべきことがストレスを明確にすることと、目指す方向性を考えることです。
ストレスにも色々な種類があります。
・やりにくい
・めんどくさい
・使いにくい
・ずっと使っていない
・不便
・好きじゃない
・もう今はなんか違う
これをどうすれば解消できるかを考えます。
また目指す方向性は、毎日どのくらいの時間を片づけに掛けたいのかやインテリア性も含めて考えてみます。
自分が送りたい暮らしを考えたり、何が自分にとって大切なものなのか、どこまで片付ければいいのか(ゴール)などを明確にして、あなたにとって必要なものを判断できるようにすることです。
片付けの順番② 物の整理をする
自分の送りたい暮らしや、なりたい姿、今抱えているストレスや、片付けに費やせる時間…。これらを明確にした後は、その判断基準に照らし合わせて物の整理をします。
要不要の判断の基準は自分です。
「1年使わなかったものは手放す」、「いつか使うは二度と使わない」。
これらの一般的に言われている基準は、すんなりと受け入れられる人には便利な基準ですが、なかなか受け入れられない人もいます。「ここ1年は使わなかったけど、また使いたい」などと考える人もいますよね。そういった場合は、自分の理想の人生の中で、次使う時はどんな場面か具体的に想像してみてください。
まったく想像できない場合は、本当に使う日は二度と来ない可能性が高いです。
部屋の広さ、収納できる量には限りがあります。自分や家族の生活空間が圧迫されてまで、その量の物を持ち続ける理由ははっきりしていますか?
一緒に暮らしている家族がいる場合、家族みんながある程度納得していますか?こういった点も一緒に考えてみるといいですね。
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片付けの順番③ 収納を決める
物の要不要の判断が終わったら、次は定位置を決めます。定位置は、基本的には動線上にあると便利です。
朝起きてから寝るまで、どこで何をしているかを把握した上で、定位置を計画しましょう。
人によっては、色々な場所に物が分散すると忘れてしまうこともあるので、そういった方は部屋に1か所大容量の収納を作り、すべてのものを1か所で保管しましょう。
定位置が決まったら、使いやすいように収納用品を使って収めます。これも、人によってやりやすい方法は違います。
例えば、文房具を収納するときにも「文房具」というざっくりとしたカテゴリーでまとめるとうまくいく人もいれば、ペン、消しゴム、のり・テープ…など、それぞれの品目別に細かくまとめた方がいい人もいます。
収納用品も、中身が見えない方がいい人もいれば、中身が見えないと忘れてしまう人もいます。
自分に合った方法を選べることが、維持管理しやすい収納をつくるコツです。
片付けの順番、①~③のステップを混同させずに、1つ1つ行っていくと、日々の片付け(=元に戻すこと)がしやすい環境を作れます。
整理が終わらないうちに収納用品を買い始めると、結局収納場所が足らなくなったり、もしくは収納用品が余ったりする恐れがあるので注意しましょう。
片付けの順番④ 「片付け」の習慣化を考える
片付けの順番①~③で、片付けやすい環境づくりをしてきました。くれぐれも、収納からスタートする、なんてことはしないように注意が必要です。
片付けが苦手な多くの人の場合、③までできたら片付いたと感じて満足してしまうことが多いですが、あと一歩必要です。
それは、片付けをいつするか、使ったものをいつ戻すのか、そのタイミングと行動を作る必要があります。
家が散らからずに毎日きれいな人は、必ず使ったらすぐに戻したり、何かのついでに掃除をしたりしています。でも、片付けが苦手な人がすぐに同じ行動をとるのは難しいです。
なので、まずは1日の中でどのタイミングで片づけるのかを決めてみてください。それは、1日5分程度からのスタートでOKです。あまり長い時間確保するのは難しいです。
そして1カ所でもいいので、毎日きれいにしておく場所を決めて続けてみてください。
どんなに物を減らして収納場所を決めても、使った物を戻さなければ散らかります。
ぜひ、順番通りにやってみてくださいね。
片付けの順番通りにやってみたら…
育休から復帰直前のフルタイムワ―ママの場合:
思い出が大切で、なかなか期限を区切って物を手放すことができないという女性。順番通り、まずは思考の整理において、価値観の整理、復職後のタイムテーブルを書き出したところ、想像以上に家事や自分にかけられる時間がないと実感。これまで、あまり意識をしていなかった物の持ち方を意識するようにしたところ、今後使わないであろう服、手入れに時間がかかる素材の服、食洗器を使えない食器類などを手放すことにした。収納は、日々の暮らしの動線を意識し、しまい込まない収納にして、ワンアクションで物の出し入れができるようになった。
感想:片付けの順番を知ったのは初めてでした。今まで物を手放すのが苦手でしたが、先に思考の整理をしたことで、基準がわかって捨てるのが楽にできました。今は仕事と家庭をできる限り両立させることが第一優先の時期なので、落ち着いたらまた思考の整理をして、家の中を好きな物に囲まれる空間にしたいです。
物が大好きなパートタイマーのママの場合:
断捨離、ミニマリストなど物を持たない暮らしが流行っているため、家族から物が多いと咎めらえることがあるという女性。価値観の整理にて、やはり自分が厳選して買い揃えてきた物に囲まれて暮らすのが幸せであると改めてわかったので、自分の空間は今のままで、そのほか家族全員で使う共用部分の物の量を決めて、使いやすく収納することをゴールとした。
私の場合、初めて片付けに順番があると知った時は衝撃でした。
それまで、ただひたすら目の前にある物を捨てたり、左から右へ動かしたりして「片付いた!」と思っていたからです。しかもそれは瞬間風速のような「片付いた!」で、一週間すら維持できたことがありませんでした。
片付けには様々な行為があり、順番通りに何をするか明確になったら動きやすくなりました。ぜひ、片付けが苦手な人は先に何をどうしたいか考えてから、物の整理を始めてみてください。また、やる気がでない場合にはやる気の出し方も参考にしてみてください。