家を建てる前に考えよう
今日はリノベーションを控えているお客様のお宅を訪問し、家事導線や使いやすい収納についてお客様のやりやすい方法を考えました。
リノベーション前の家もとても素敵で、その構造から大掛かりな間取りの変更は無いようですが、工夫次第で家はより暮らしやすくなります。
わたしの知識や経験で、お役に立てるのはとても嬉しいです!
ということで、今日は家を建てる前におすすめの暮らしの見直しと整理についてです。
「家を建てる前にしておくべき●●」のリストの中にライフオーガナイズが一番に入っていてもいいんじゃない?と、思うくらいおすすめです。
目次
1.家を建てる前にオーガナイズをおススメします。
家を建てる前にしておいた方がいいことの1つが、今の家のオーガナイズ(暮らしの根本的な見直しと、整理)です。
その理由は、今の暮らしを見直し、整理をする作業を行うと、
- あなたが自覚していない物の持ち方のクセ、
- 価値観、
- 行動のクセ、
- ストレスの原因、
- 家事動線、
- 時間の使い方などが明確になるからです。
これらは家を建てる前に把握できていた方が、新しい家の間取りや収納を考える時に活かせますし、「もしかしたら」や「万が一」という仮定で話を進めなくてすみます。
また、早いうちからモノの選別や新居にもっていくものが決まっていれば、無駄な収納を作らなくて済みますし、引っ越し代の節約にもなります。
たくさんのハウスビルダーさん、工務店さん、お施主さんと話をしましたが、設計者が実際に家に伺って、さらには収納の中まで拝見してから家の間取りや収納をプランする会社はほぼありません。それが、今の主流です。
でも、これから家を建てたり、リノベーションをする全員が整理整頓が完全にできていて、片付け習慣があるわけではないですよね。
また、設計する側もどのくらい片付けが得意/苦手かによって想像できる収納や家事動線は異なります。さらに付け加えると、私たちは頭の中で想像できないことは現実化できないので、家事をまったくしない人には体験から得られる本当の意味での家事動線や片付けやすい収納は作れないのではないかと思います。
収納ひとつでも、家を建てる前に考えたいことはたくさんある
例えば「クローゼットを家のどこに、どのくらいのサイズで作るのか?」
きっと家を建てる前に必ず考えると思います。
これも世の中には「規格サイズ」はありますし、一般的には各部屋にあるイメージだと思いますが、一概にそれがベストとは言い切れません。
・服はその方にとってどんな存在?
・どのくらいの服の量が、その方には必要?
・洗濯動線は?
・誰が洗濯をクローゼットまで運ぶ?
・たたむ時間はある?
・管理方法にこだわりはある?
・子どもは?
・クローゼットに扉はつける?
・棚にする?
・引き出しにする?
・ハンガーパイプは1段にするのか上下2段にする?
・高さは?
・どの収納用品を今使っている?
・新居にも持っていく?
・揃えるとしたら、どのメーカーで?
クローゼットひとつにしても、考えることは、まだまだあります。
今は、様々なやり方があって当たり前の時代。固定概念を取っ払ったその方のやりやすさを尊重してもいいのです。
こういった内容を、お客様が限られた時間で自力で考えるのは、難い場合もあります。また、ここまでのヒアリングをされている工務店は多くはないようです(住宅業界も人手不足と聞きますね…)。
家を建てるプロは、家事・片付けのプロではない
世間に出ている新築やリノベーション実例の写真は、引っ越してくる前の写真を撮っていたり、小物がスタイリングされているケースが多いです。
また、引き渡し後にで頻繁に顧客の家に通い、収納の使い方、使いやすさまでフォローアップされている工務店さんはいらっしゃるかもしれませんが、あまり聞きません。
そんな現状の中、設計・施工する側が考えた収納や間取りが、お客様の使いやすい収納や導線になっているかどうかの結果を知り、そこから設計を改善するためには、どうしたらいいのでしょうか…?
家を建てるプロは、家を建てるプロです。収納の内部1つ1つまでどんな収納方法をするとうまくいくかは確認しませんし、その方の物の持ち方、物の総量まで把握はしていないのです。そしてその設計者がうまくいく方法が、施主家族のやりやすさと同じとは限りません。
でもそうやって家を建てると、結局は住む人側が家に合わせながら暮らさなければなりません。
そう考えていると、「餅は餅屋」。
やはりここはその人に合わせた家の中の仕組みを考えるプロであるライフオーガナイザーの出番になってくるんではないかと思います。
2.家を建てる前に考えたい「暮らし方のクセ」
家を建てる時に、ついつい見た目重視にしてしまったり、「一般的には…」と提案された内容を鵜呑みにしてしまったり…。
あとから、住みにくさを感じるという話はよく聞きます。
ライフスタイルの変化によっても、価値観や、やり方がかわっていくので、「一生完璧な家の間取りや収納」というのは不可能なのかもしれません。
ただ、最低限ご自身の「暮らし方のクセ」については、事前に知っておく方がよさそうです。
特に、片付けに苦手意識を持っている方は必須です。
なぜ片付けにくいのか、どうすれば片付けやすくなるのか。
それを知ったうえでどのように家の収納を作るか考える方が、うまくいきやすいです。
話が私事になりますが、私が戸建ての家を建てたのは今から10年近く前です。その頃は、専業主婦でした。
でも、自分で収納の家間取りの本を読むのは好きでしたし、その中で自分が求めるものはかなり明確に書き出して、そしてビジュアルイメージも用意して、家を考えていきました。
家を建てた後、オーガナイズも学び、そして住んでいて気づいたのは、結局収納につけた扉はキッチン以外はほとんど我が家には不要だったということです。
大きな引き戸は、子どもには重く開け閉めしにくく、常に開けっ放し。
家族もどちらかというと感覚的な特性が強いので、「パッと見てすぐできる」がうまく片付けられるコツでした。
いちいち扉を開閉するのが手間で、結局扉を取っ払ってしまいました。
一般的には、収納には扉がついている。その固定概念を疑わずに収納を考えていたのでした。そして収納につける扉て、結構お値段するんですよね…。
我が家みたいなタイプは扉ではなくて間仕切りとしてロールスクリーンを使用するだけでもよかったようです。
これは1つの例ではありますが、片付けが苦手な方は、苦手意識があっても、それをどうすれば解決できるかというところまではなかなか思いつきません。
ですので、家を建てる前に暮らし方のクセを知ると、より住みやすい家を考えられます。
3.家を建てる前はやることが沢山!だからそれぞれのプロと一緒に進める
家を建てる前には、やることが山積します。お金関係、法的手続きや申請、家の間取り、インテリア…。
お金は、ファイナンシャルプランナーや銀行の担当者に相談しますし、法的手続きは司法書士や行政書士に依頼します。家のことも、大きくは工務店やハウスメーカーですが、インテリアやインテリアコーディネーターに頼みます。
このように、それぞれのプロと一緒に進めてますよね。
ということは、その方の暮らしやすさを考えたり、クセを理解したり、オーガナイズをしたり…というところは、オーガナイザーと一緒に進める時代が来るはず…(急に話が願望になりました)。
今、私は理解してくださっているお客様や、工務店様に、オーガナイザーとして家づくり(というか暮らしづくり)に関わらせていただいていますが、この仕事は「いつか、こんなことができたらいいな」と10年近く前から考えていたことが実現しています。
約10年前、自分の家を建てる前には大手のハウスメーカーを含め何軒もまわり、ざっくりとした間取りのプランを出してもらいました。
ぼんやりとしたイメージではなく、家事動線や、片付けが苦手、掃除もめんどくさいなども含め、書き出したものをベースに営業の方と話ました。
その後に出てきたプランを見て、自分の意見がまったく伝わっていなかったことに衝撃を受けたのを今でも覚えています。
なぜ、その提案になったか聞いてみると
・建物の美しさ
・収まり
・スキップフロアが流行っている
等、建物自体について焦点が当てられていたり、動線については、「この動線、使いにくいと思いますか?」と逆に聞かれたり。
その後、営業や設計の男性の方にご自身が家事をどのくらいしているかを聞いたところ、専業主婦の奥様がほとんどしているとの答えばかりだったので、リアルな家事動線は想像できないんだと納得しました。(これは、その男性を責めているのではなく、営業ってそのくらい忙しく働いている…という意味です。)
もちろん「家を作る意識」だけでなく、「暮らしを作る意識」を持っている方もいらっしゃいますが、家を建てる側の視点と、普段家事をしている側の視点の違いを感じたできごとでした。
自分が専業主婦時代に家事に苦しんだ経験もありますが、その後オーガナイザーとして沢山の方の暮らしをオーガナイズしてきた経験からは、家事のしやすさや、暮らしやすさの原理原則のようなものはあっても、人それぞれやりやすさや優先順位は違うとわかりました。
そのため、暮らしの仕組みを作り、最適化するプロであるライフオーガナイザーは、家を建てる前に「暮らしやすさ」を考える時に、力になれることがあると思っています。
片付けが苦手だけれど、新居で快適に暮らしたい方、片付けが苦手な顧客がいる工務店の方。
家を建てる前に、オーガナイザと一緒に暮らしやすさについて考えてみませんか?
\家を建てる前にぜひ!/